はじめに

2025年、国民的スーパースター・長嶋茂雄さんがこの世を去ったというニュースは、日本中に深い悲しみと衝撃をもたらしました。野球界の象徴として、そして「ミスタープロ野球」として時代を築いたその偉業は、永遠に語り継がれることでしょう。

そんな中、注目を集めたのが「戒名」にまつわる話題です。報道やネット上では、「長嶋茂雄の戒名料は20億円!?」といった衝撃的な噂も飛び交いました。果たしてそれは事実なのでしょうか? そして、そもそも戒名にはどれほどの費用がかかるのでしょうか?

この記事では、戒名とは何かという基本から、著名人たちに授けられた格式ある戒名とその推定費用までを、徹底的に検証していきます。

長嶋茂雄氏の戒名とその格式とは?

2025年に惜しまれつつこの世を去った「ミスタープロ野球」長嶋茂雄氏。その葬儀や戒名も国民的関心を集めました。特に注目されたのが、その格式の高い戒名です。

九品院殿希譽英徳巨聖茂雄大居士

この戒名には、以下のような構成が含まれています:

構成要素 内容
院殿号(九品院殿) 最高位の格式を示す敬称で、格式としては最上級。
道号(希譽) 仏門に入った者としての名。
戒名(英徳) 中心となる法名で、徳を称えた名前。
添え名(巨聖茂雄) 「巨聖」は功績を表し、「茂雄」は俗名を反映。
位号(大居士) 男性の高位戒名に用いられ、人格や社会的功績を称える称号。

これらすべてが揃っていることからも、戒名としては極めて格式が高いものであることがわかります。

一部報道では、戒名料を含む葬儀関連費用が「20億円規模」だったという説もありましたが、これは誇張を含む見解である可能性が高く、実際には戒名にかかる費用は100万〜500万円以上と推定されます。

とはいえ、国民的英雄・長嶋氏の存在感にふさわしい、荘厳かつ敬意の込められた戒名といえるでしょう。

そもそも戒名とは?なぜお金がかかるのか

戒名とは、仏教の儀式で授けられる「仏門の名前」であり、故人が成仏し極楽浄土へ導かれるための重要な要素とされています。宗派や寺院により異なるものの、戒名には以下のような構成があります:

項目 説明
道号 仏教の道に入る者としての名前
戒名 中心となる名前(例:「徳栄」「英徳」など)
位号 性別・地位・功績を示す(例:「居士」「大姉」)
院号・院殿号 非常に格式が高い戒名の上位称号

これらの構成が増えるほど、「格式が高い」とされる戒名になり、それに伴ってお布施(事実上の費用)も高額になる傾向があります。

一般人と著名人の戒名費用の違い

一般人の相場

  • 信士・信女クラス:10万〜30万円
  • 居士・大姉クラス:30万〜80万円
  • 院号・院殿号クラス:100万〜数百万円

あくまで「お布施」であるため、寺院から明確な料金提示がないことも多く、金額には大きな幅があります。

著名人の場合

芸能人、政治家、財界人などの著名人になると、以下のような要因により金額が跳ね上がることがあります:

  • 社会的功績を称えるための高位戒名
  • 華やかな葬儀演出(全国中継、会場規模など)
  • 僧侶への謝礼や、寺院への寄進などを含めた総額

著名人の戒名と格式・推定費用一覧表(芸能人)

故人 戒名 格式ランク 推定戒名費用
長嶋茂雄 九品院殿希譽英徳巨聖茂雄大居士 最高級(院殿号+大居士) 100万〜500万円以上
美空ひばり 大空院美誉仁徳日和大姉 高位(院号+大姉) 80万〜100万円以上
石原裕次郎 栄光院釈昌山裕道居士 高位(院号+居士) 50万〜100万円以上
黒澤明 光明院釈明徳道和居士 高位(院号+居士) 数十万〜数百万円
松田優作 弘誓院釈優作居士 中位(居士) 数十万円〜

著名人の戒名と格式・推定費用一覧表(文化人・歴史的人物)

故人 戒名 格式ランク 推定戒名費用
徳川家康 安国院殿徳蓮社崇誉道和大居士 最高級(院殿号+大居士) 数千万円以上
田中角栄 政覚院殿越山徳栄大居士 高位(院殿号+大居士) 数百万円〜
吉田茂 叡光院殿徹誉明徳素匯大居士 高位(院殿号+大居士) 数百万円〜
渋沢栄一 大隅院殿忠正義道昌亨大居士 高位(院殿号+大居士) 数百万円〜
松方正義 瑞光院殿実成道俊大居士 高位(院殿号+大居士) 数百万円〜
坂本龍馬 龍馬居士 中位(居士) 数十万円〜
夏目漱石 文澄院殿徳翁日光居士 高位(院殿号+居士) 数十万〜数百万円
芥川龍之介 明光院殿徹誉義道居士 高位(院殿号+居士) 数十万円〜
三島由紀夫 明光院殿徹誉義道居士 高位(院殿号+居士) 数十万円〜

長嶋茂雄の「戒名20億円」説の真相とは

「長嶋茂雄氏の戒名が20億円」といった噂は一部メディアやインターネットで拡散されましたが、事実を裏付ける公式な情報はありません。

もし仮に20億円という金額が使われていたとすれば、それは戒名単体というよりも、次のような内容が含まれている可能性があります:

  • 大規模な葬儀費用(会場・人件費・警備など)
  • 仏閣や寺院への高額な寄進
  • 慈善活動への多額の寄付金

つまり、「戒名に20億円」というより、「長嶋茂雄という国民的英雄を称える一連の供養と記念事業に、それだけの費用が投じられた」という可能性の方が現実的です。

まとめ:戒名にお金をかける意味とは

戒名は、故人の人生、功績、信仰、家族の思いが反映されたものであり、金額が高いほど良いというわけではありません。しかし、著名人や歴史に名を刻んだ人物には、社会的な敬意を込めて格式の高い戒名が授けられることが多く、それが費用の高さに表れるのです。

現代では「無宗教葬」「直葬」など多様な供養スタイルが広がる中で、「形式より想い」を重視する流れも加速しています。それでも、戒名の背景にある歴史や文化、敬意の表現としての意味は、今後も語り継がれるべき価値ある伝統といえるでしょう。

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