「シャア専用ヅダとは?」と検索するあなたは、おそらくこう感じているはずです――

「このMSって本当にシャアの機体?」「公式設定?妄想?どっち?」

その疑問に明確な答えを出すと同時に、ファンの熱量がこもった“赤いヅダ”の魅力、人気作例、製作手順まで、すべてこの記事でわかるように丁寧に解説していきます。

シャア専用ヅダとは?公式には存在しないが愛されるMS

まず結論から言えば、「シャア専用ヅダ」は公式設定には存在しない、ファンの創作によるモビルスーツです。

原型となる「ヅダ(EMS-10)」はOVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO』で登場したジオンの試作MSですが、シャアとは無関係。しかし、特徴的なデザインと設定、そして“赤い機体=シャア専用”というファン文化の影響から、ガンプラユーザーたちがHGUCのヅダを赤く塗装し、「シャア専用ヅダ」としてSNSやコンテストに多数投稿しているのです。

こうして「存在しないはずの機体」がネットミームやガンプラ文化の中で人気を博すようになりました。

HGUCとは?「赤いヅダ」誕生の土台となったガンプラシリーズ

項目 内容
シリーズ名 High Grade Universal Century(HGUC)
発売元 BANDAI SPIRITS
スケール 1/144
対象作品 宇宙世紀を舞台とするガンダムシリーズ(ファースト、Z、UCなど)
特徴 安価・高品質・初心者向け/豊富なラインナップ
関連性 「HGUC ヅダ」がベースキット。これを赤く塗装し、シャア専用機として製作するのが定番

HGUCは、初心者でも簡単に組めて完成度が高く、改造のベースにも最適。そのため、ファンが自由に“if”のモビルスーツを生み出す文化が広がりました。「シャア専用ヅダ」も、そんな自由な発想から生まれたものです。

妄想設定がまた楽しい!赤いヅダの性能とは?

項目 通常のヅダ設定 シャア専用ヅダ(妄想設定)
推進力 土星エンジンによる高加速・低安定性 シャアの技量で安定性問題を克服?
装甲 やや脆弱 試作型強化チタンを使用した特別仕様という想定も
カラーリング ミリタリーグリーン シャア専用の“真紅”+ゴールド・ブラックの差し色
識別装備 なし シャア機らしく頭部ブレードアンテナを追加

公式ではないものの、SNSやブログではこのような「設定遊び」も楽しまれています。

【そもそもの疑問】モビルスーツ「ヅダ」とは?

―幻の名機に秘められた真実

「ヅダ(Zudah)」という名前を聞いてピンとくる人は、なかなかのガンダム通でしょう。ヅダは『機動戦士ガンダム MS IGLOO』に登場する、ジオン公国の試作型モビルスーツです。作品内では強烈な印象を残し、「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」という名台詞とともに、ファンの間で語り継がれています。

では、そもそもヅダとはどのような機体だったのでしょうか? 本記事では、その性能や背景、作品内での扱い、そしてなぜ“幻の名機”と呼ばれるのかを徹底解説します。

ヅダとは何か?

  • 正式名称:EMS-10 ヅダ
  • 登場作品:『機動戦士ガンダム MS IGLOO – 1年戦争秘録』
  • 所属:ジオン公国軍
  • 開発企業:ツィマッド社
  • 用途:高機動戦闘用試作モビルスーツ

ヅダとザクの開発競争

ツィマッド社の「EMS-04(ヅダの初期型)」は、非常に優れた加速性能と高機動力を誇っていました。しかしながら、試験運用中に機体が自壊する事故が発生。この事故をきっかけに、ヅダは安全性と信頼性の面で不利となり、競合機のザク(MS-05/MS-06)が正式採用されることとなります。

一方で、ジオン軍はヅダの失敗を隠蔽し、「EMS-10 ヅダ」という新型として、あたかも後発機であるかのように再登場させるプロパガンダを展開。これにより、ヅダは再び表舞台に登場することになります。

ヅダの性能と特性

ヅダの最大の特徴は、「ロケットエンジンによる圧倒的推力」と「高い加速性能」です。宇宙空間での高速戦闘を前提に設計されており、スペック上はザク II を凌駕するポテンシャルを持っていました。

主なスペック(劇中描写ベース):

  • 型式番号:EMS-10
  • 全高:約17.3m
  • 本体重量:約52.3t
  • 武装:135mm対艦ライフル、ヒートホーク、シュツルム・ファウスト ほか
  • 装甲材質:超硬スチール合金
  • 推進装置:高出力ロケットエンジン(姿勢制御バーニア多数)

致命的な欠陥:自壊事故の真相

ヅダには一つ、致命的な弱点が存在します。それは、機体強度の限界を超えた加速時に自壊する危険性です。

EMS-04の時点でその問題は明らかになっており、実戦投入には耐えないという判断が下されました。EMS-10として改修されたものの、根本的な構造的欠陥は残っており、劇中でもデモンストレーション飛行中に機体が爆散するという悲劇が描かれています。

このような「高性能だが致命的に不安定な兵器」という設定が、ヅダを“幻の名機”たらしめているのです。

主な搭乗者:ジャン・リュック・デュバル中尉

ヅダとともに記憶されるのが、ジャン・リュック・デュバル中尉という人物です。彼はかつてのヅダ開発担当士官であり、EMS-10の再配備に強く関わっていました。

  • ヅダを深く誇りに思い、「ザクとは違うのだよ!」という信念を持つ。
  • 軍上層部の政治的な思惑やプロパガンダに苦しみながらも、ヅダの名誉を守ろうと奮闘。
  • 劇中では、ヅダと運命を共にするような悲壮な最期を迎えます。

彼の存在が、ヅダという機体に“誇りと悲哀”というドラマ性を付与しているのです。

ヅダの評価と後世への影響

性能だけを見れば、ヅダは決して劣っていません。むしろ特定の局面(宇宙戦や高機動戦)においてはザクを上回る点も多くあります。しかし、信頼性の欠如という一点で評価を下げられた不遇の機体でもあります。

ツィマッド社はその後、ヅダの教訓をもとに高機動陸戦型MSであるドムリック・ドムを開発。これらはジオンの中核機として実績を残し、技術は次世代にしっかり受け継がれていきました。

まとめ:ヅダとは何だったのか?

EMS-10 ヅダは、技術の結晶でありながら、時代と政治に翻弄された「もしも」の存在です。

特徴 内容
長所 高機動、高出力、独自設計、美しいシルエット
短所 高速時の自壊、信頼性の欠如
歴史的立場 開発競争に敗れた幻の機体
評価 ファンからは“美しくも哀しいモビルスーツ”として高評価

ヅダは、「性能がすべてではない」という軍事的・政治的リアリズムを象徴する存在でもあります。だからこそ、多くのファンがこの機体に特別な思いを抱き続けているのかもしれません。

赤い彗星仕様のヅダ作例 ― SNSやGUNSTAでも人気

GUNSTA投稿例:塗装をシャアザク風にしたHGUCヅダにブレードアンテナを追加し、マーキングは“赤い彗星”風。

ブログ作例:改造なしのHGUCを使用し、サフ→メタリック塗装で重厚感を演出したものなど多数。

X(旧Twitter): #シャア専用ヅダ のタグで検索すれば、ミーム化されたネタ投稿や完成品がぞろぞろ出てきます。

“シャアがヅダに乗ったらこうなる”という創作が、モデラー同士の共感や笑いを呼び、話題が拡散されています。

自分でも作れる!シャア専用ヅダの製作ガイド

用意するもの

・HGUCヅダキット(1/144)
・サーフェイサー(グレー or ブラック)
・塗料(レッド系・ピンク・ブラック・ゴールド・シルバー)
・筆/エアブラシ/スミ入れペン/トップコート

塗装例(カラーガイド)

部位 塗装レシピ例
胴体赤 (C)レッド+(C)ホワイト+(C)ブルー 少量
関節黒 (C)セミグロスブラック
頭部ピンク (C)シャアピンク+(C)ホワイト
バーニア シャインシルバー+クリアレッド(焼け表現に)
デカール シャア専用ザク用などを流用(1/144サイズ)

手順

1. 素組・仮組でパーツチェック
2. 表面処理(合わせ目消し・やすり)
3. サフ→下地塗装
4. カラー塗装→乾燥→トップコート
5. スミ入れ・デカール貼付
6. 撮影してSNSに投稿しよう!

まとめ:存在しないMSだからこそ、創造と遊びが止まらない

「シャア専用ヅダ」は、公式に存在しないにもかかわらず、ファンの遊び心と創造力で“本当にありそう”な存在感を放っています。

このような創作MSは、ガンプラ文化の“自由さ”と“楽しさ”の象徴とも言えるでしょう。あなたもぜひHGUCヅダをベースに、世界にひとつだけの“赤いヅダ”を作ってみてください。

🔗 参考資料