「しばき隊」とは?簡単な概要と資金に関する背景

しばき隊(正式名称:レイシストをしばき隊)は、差別的言動に抗議するカウンター行動を中心とした市民団体で、2013年ごろから活発に活動しています。特定の政治団体に属しているわけではありませんが、左派的思想に近いスタンスを取ることが多いため、しばしば「政治的背景があるのでは?」という疑念を持たれることもあります。

その活動スタイルは、デモの現場での対抗行動やSNSを通じた発信、そしてNoHateTVといった映像コンテンツの配信に及びます。こうした活動を維持するには一定の資金が必要であるため、「しばき隊の資金源は何か?」という疑問が多くの人に持たれています。

本記事では、その資金源について可能な限り透明な情報をもとに徹底的に解説していきます。

しばき隊の歴史

結成のきっかけ(2013年初頭)

「しばき隊(レイシストをしばき隊)」は、2013年2月9日に東京都内で初めて顔合わせ・カウンターデモを実施し、正式に発足しました。これは、「在日特権を許さない市民の会(在特会)」などによるヘイトスピーチや排外主義的デモに対抗するため、市民有志が急速に集ったことが背景にあります。名称は、差別主義者(レイシスト)を「しばく(懲らしめる)」という意志を強く表現したものです。

活動の拡大と社会への波及

結成後、しばき隊は街頭での直接行動のほか、SNSやネット上での情報発信力を活用し、賛同者を全国から集めました。その結果、カウンターデモが全国に波及し、社会的にも注目を集めるムーブメントに成長しました。

C.R.A.C.への再編(2014年)

2014年に入り、組織性を強化しながら、名称を「対レイシスト行動集団(C.R.A.C.)」へと変える発展的再編が行われました。C.R.A.C.は、しばき隊の行動理念や構成員を含みつつ、プラカード隊・署名隊といった活動的な枠組みを統合するプラットフォーム的ネットワークとして位置づけられました。

運動の意義と議論点

しばき隊は、ヘイトスピーチへの直接抗議を通じて「反差別」という社会的な議題を広げた存在として、人々に強い印象を残しました。しかし一方で、過激な表現や内部トラブル、暴力的な衝突が発生したことにより、「非暴力を掲げながら名称や一部手法が過激すぎるのでは」と批判の対象にもなりました。

活動の規模と資金のバランスは?資金力から見る「しばき隊」の実態

しばき隊の主な活動内容とは?

カウンターデモ・街頭行動

差別や排外主義を掲げるデモに対し、プラカードやコールで抗議するカウンター行動を展開。通行人や周辺社会に問題を可視化し、当事者の安全確保と抑止効果を狙いました。警察との調整や隊列管理など現場オペレーションも重視しました。

SNSでの情報発信

X(旧Twitter)などで行動予定、現場報告、差別事例の検証を迅速に共有。ライブ配信やスレッドで文脈を補い、賛同者の動員やメディアへの波及を図りました。一方で表現の強度をめぐる議論も生じました。

啓発イベント・文化活動

音楽ライブ、トーク、アート展示、勉強会を通じて反差別の理念を伝達。当事者の声や実践知を共有し、参加のハードルを下げつつ、世代・コミュニティ横断のネットワーク形成を進めました。

報道・記者会見の開催

声明や調査結果を記者会見で公表し、メディアに論点を提示。報道対応の窓口を設け、取材同席やファクト提供で言説空間への介入を強めました。

出版活動

書籍・寄稿・パンフレットを通じ、運動の背景や事例、実務ノウハウを記録・発信。再現可能な知見として蓄積し、地域や時期を越えた実践に資する基盤を整えました。

「しばき隊」は資金と活動規模の“バランス”は取れているのか?

しばき隊の活動は、全国規模で見れば中規模~小規模に分類されます。地方ごとの活動は市民レベルの草の根運動が多く、組織的な支出はそこまで大きくないと推察されます。

また、多くのメンバーがボランティアベースで動いており、いわゆる「給与」が支払われているケースは稀です。つまり、資金が潤沢にあるというより、限られた資源の中で活動していると見た方が自然です。

資金の透明性に関する議論

一方で、資金の流れに関しては不透明な部分も少なくありません。しばき隊は法人格を持っていない(または明確に公開していない)場合が多く、公式な収支報告書の提出義務がないという点も資金の“ブラックボックス化”に拍車をかけています。

このため、ネット上では「どこかの政治勢力からの支援があるのでは?」という憶測が飛び交うこともありますが、現時点で確固たる証拠は出ていません。

「しばき隊」に日当が3万円払われていた可能性について

元新潟日報記者でC.R.A.C.構成員であったとされる壇宿六氏は、自身のブログで「しばき隊の活動には日当が出た」と主張し、「東京大行進」への完全参加には3万円が支払われ、その担当は菅野完氏であったと述べています。

しかし、この主張は壇氏個人の発言であり、公的な裏付けが取れていません。したがって、この情報だけで「日当が支払われていた」と断定することはできません。

一方、菅野氏については、後に「差別撤廃 東京大行進」の制作費に充てるためのカンパ金の一部を着服したという金銭問題が発覚し、グループから追放されたことが複数のメディアによって報じられています。この「カンパ金着服」と「日当支払い」は別の問題ですが、この界隈で金銭的な問題があったことは事実です。

結論として、「日当3万円」の支払いは、壇氏による未確認の主張に過ぎません。その一方で、活動に絡んだ金銭トラブルが実際にあったことは事実であり、この主張の真偽を巡っては議論が続いています。

「しばき隊」の明らかになっている資金源|収入の内訳と概要

現在、公に確認されているしばき隊の主な資金源は、以下のようなものです。以下に概要を整理した表を示します。

資金源 内容 補足情報
グッズ販売 ステッカー・Tシャツなどの販売 SNS経由で注文、ショップは不定期
YouTube広告収益 NoHateTVなど動画配信での広告料 動画の再生回数・広告表示による収益
寄付 支援者からの個人寄付 公式サイトやイベントでの呼びかけあり
イベント・講演会 トークイベント等での参加費や物販収入 規模は小規模で不定期

「しばき隊」のステッカーやグッズ販売での収益

しばき隊が収益を得ている最も一般的な手段の一つが、ステッカーやTシャツなどのグッズ販売です。主にTwitter(現X)やイベント会場での直接販売が中心で、オンラインショップが恒常的に開設されているわけではありません。

一部ツイートでは、しばき隊のステッカーを300円前後で販売していることが確認されており、シンプルなデザインながら購入者からの支持を得ている様子も見られます。しかし、これが主たる資金源になるほどのボリュームかは不明です。

販売による利益がすべて団体運営に充てられているのか、個人の収益と混在しているのかは外部からは判断がつかないのが現状です。

YouTube(NoHateTV)からの広告収益

しばき隊は「NoHateTV」というYouTubeチャンネルを運営し、差別やヘイトスピーチに関する社会問題をテーマとした番組を発信しています。一定の登録者と再生回数があるため、YouTube広告からの収益が見込まれます。

YouTubeでは1再生あたり0.1〜0.3円程度の広告収益が期待されます。仮に1本の動画が1万再生を超える場合、1000〜3000円程度の収入となり、動画数が多ければまとまった金額になります。

ただし、収益化の有無や金額の正確な情報は公開されておらず、あくまでも一般的なYouTube収益モデルに基づいた推測です。動画の質や視聴者の滞在時間によっても大きく変動するため、メインの資金源と呼べるかは断定できません。

「しばき隊」には寄付による運営支援はあるのか?

市民団体として活動するしばき隊にとって、個人からの寄付は活動資金の重要な柱であると考えられます。SNS上やイベント現場では、寄付の呼びかけが行われるケースもあり、これが一部の運営費に充てられている可能性は高いです。

一部のネットユーザーの調査によれば、PayPalや銀行口座を通じて個人で寄付を募るスタイルが採られていた時期もあるようです。ただし、現在は公式的な寄付窓口が恒常的に存在しているわけではなく、寄付が主たる財源となっているかどうかは断定できません。

団体としての会計報告などが存在しないため、外部からの検証は難しく、透明性についての指摘も多く見られます。

「しばき隊」は共産党など政治団体と関係があるのか?

ネット上では「共産党がしばき隊を支援している」といった噂も見られますが、信頼できる証拠は確認されていません。こうした主張の多くは、匿名掲示板や煽動的な動画コンテンツを情報源としており、情報の出所や信ぴょう性には大きな疑問が残ります。

共産党は政党助成金を受け取らない方針を採っており、その収支は比較的オープンにされているため、しばき隊への直接的な金銭的支援が行われているとすれば、それなりの根拠が存在するはずです。しかし、そうしたデータは確認できません。

政治思想の近さから“協力関係”と見られる場面があるかもしれませんが、それが即資金援助を意味するとは限らないという点には注意が必要です。

「しばき隊」は共闘団体から資金提供を受けていた可能性はあるのか?

「しばき隊界隈」という呼称は、C.R.A.C.(Counter-Racist Action Collective)を中心に、その構成員だけでなく支持者や協力者、さらには活動内容を共有する団体まで含めた広義のネットワークを指します。その性質は流動的で、明確な境界線を持たないのが特徴です。

共闘関係にあった団体

C.R.A.C.と共闘した団体には、以下のようなものが確認されています。

政治的団体

  • 日本共産党、社会民主党、立憲民主党など、いわゆる極左政党
  • 学生団体「自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)」

活動団体

  • 「男組」(暴力的な動画公開で知られる)
  • 「差別反対東京アクション」
  • 「のりこえねっと」(在日コリアン系団体)

極左暴力集団

  • 中核派
  • 革マル派
  • 革労協

共闘関係と資金提供の可能性

共闘関係にある団体間では、共通の目的を達成するために人的支援や物資の提供、さらには資金援助が行われるケースがあります。このため、上記のような団体とC.R.A.C.の間に共闘歴がある事実は、資金が提供されていた可能性を示唆します。

断定できない理由

ただし、今回の情報はあくまで「共闘関係があった」という事実にとどまっています。資金提供の実態を示す直接的な証拠(資金移動の記録、関係者証言、公的調査結果など)は提示されていません。したがって、可能性は否定できないものの、現時点で資金提供があったと断定することはできません。

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「しばき隊」の資金源に関する噂と誤解|ネットの情報をどう見るか?

ネット上では「しばき隊はバイト代をもらって活動している」「どこかの政治団体に雇われている」といった話がしばしば出回っています。YouTubeの一部動画では、証拠のない状態で断定的な表現をするケースもあり、情報の信頼性には疑問が残ります。

噂の多くは、匿名性の高いSNSや掲示板から始まっており、裏付けがないまま拡散される傾向があります。検索ユーザーがこうした情報を目にしたときは、「一次情報の有無」「公的な記録があるか」「誰が発信しているのか」を慎重に確認することが重要です。

不透明な部分が多い団体ではありますが、「情報がない」=「黒」と決めつけるのは早計です。

「しばき隊」が今後するべきこと|資金の透明性を高めるには?

しばき隊に対して信頼性や透明性を求める声は年々高まっています。資金源が不透明である以上、疑念や噂を生みやすくなります。以下のような対応が今後求められると考えられます。

  • 活動にかかった費用・収入の簡易な会計報告を定期的に出す
  • 寄付金の使途を明確にする仕組みを整える
  • 外部からの問い合わせに一定の返答体制を設ける
  • イベント・グッズ販売に関しては領収情報を示すなど、個人活動との違いを明確にする

市民団体として社会的な役割を果たすのであれば、資金面での信頼を得ることは活動継続において極めて重要です。

まとめ|現在の資金源と今後の透明性の課題

現時点で確認できるしばき隊の資金源は、「グッズ販売」「YouTube広告」「寄付」が中心と見られます。政治団体からの直接支援の証拠はなく、噂に過ぎないものが多いのが現実です。

不透明な部分があることは事実ですが、その全てが悪意や違法性に結びつくわけではありません。だからこそ、活動の信頼性を高めるには、わかりやすい情報発信や会計の透明性を高める工夫が必要でしょう。

読者の皆さんも、情報を見極める目を養いながら、根拠のある一次情報にアクセスすることを意識してみてください。

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