例えば、電車などに乗った場合に目の前に「非常用のボタン」がある経験は誰しもあることだと思います。
こんな時に「このボタンを押したらどうなるのだろう?」と思ったことはありませんか?
皆さんもお気づきの通り「ボタンを押した時のことを想像する」ということは「ボタンを押したい」という衝動の現れだと言えます。
多くの人は「非常用ボタン」を押すと、大変なことになることが分かっています。まして電車の非常用ボタンの場合でしたら、ボタンを押すとで電車が緊急停止してしまうことでしょう。
人は誰しも「非常用ボタン」を押すと大変なことが分かっているから、実際に押さないだけなのです。
こんな時多くの人は「ボタンを押した時の満足感」と「ボタンを押した後の騒動(リスク)」を天秤にかけて、ボタンを押さない選択をしています。
では、なぜ人間は「ボタンを押す(衝動)」をやめることができないのでしょうか?
それは「ボタンを押す」ことで多くの人が快感を得ているからです。
なんか「ボタンを押す」ことで気持ちよくなるというのは、冷静に考えると変態のように思えてしまいます。
ですが、人がボタンを押すことで脳内にドーパミンなどの快感物質が出ていることが知られています。
また同じように「ボタンを押す」という行為によって、人を不安にさせている脳内物質であるコルチゾールを減らす効果もあるのです。
つまり「ボタンを押す」と人は快感と安心の両方を得ることができるのです。
「ボタンを押す」ことが気持ち良いという、とても分かりやすい例が皆さんもお馴染みの「プチプチ」です。
「プチプチ」というのは、ビニールでできた荷物の梱包などで使用する緩衝材のことです。正式な名称は「気泡緩衝材(きほうかんしょうざい)」と言うそうです。
「プチプチ」には沢山の気泡がありますが、あの気泡を潰した時の「プチッ」という音と感触が非常に快感ですよね。
「プチプチ」と「ボタン」というのは違うだろう。と考える人もいるかもしれません。
ですが「押しボタン」の意味は「 押すことによって動作するスイッチの一種」となっています。
そう考えると「プチプチ」も押すことで気泡が破裂して、音と振動が発生するという非常に直接的な「押しボタン」と考えることもできるのです。
ではなぜ「ボタンを押す」と人は快感を覚えるのでしょうか?それは、私達の過去の経験が深く関係していると言われています。
例えば、先程ご紹介した「押しボタン」の定義を思い出してください。「 押すことによって動作するスイッチの一種」となっています。
つまり「押しボタン」というのは押すと必ずと言っていいほど、何らかの効果がや動作が発動するのです。
よくよく考えると私達は「毎日必ずボタンを押す」生活をしているのです。
例えば私の1日の生活から「ボタンを押す」行為をご紹介します。
【1】目覚まし時計の止める「ボタンを押す」
【2】洗面台の電気の「ボタンを押す」
【3】スマートフォンの起動の「ボタンを押す」
【4】会社のタブレット端末で出勤の「ボタンを押す」
【5】パソコンの起動「ボタンを押す」
【6】会社でコピー機の「ボタンを押す」
【7】会社のタブレット端末で退勤の「ボタンを押す」
【8】自販機で飲料水を買う「ボタンを押す」
【9】家に帰ってテレビの「ボタンを押す」
【10】スマートフォンで目覚ましセットの「ボタンを押す」
こうやって列挙すると私自身も思った以上に1日で「ボタンを押す」行為が多いことに驚きました。
私の場合でも最低でも上記のように10回以上は「ボタンを押す」行為をしています。
実際にはスマートフォンのボタンを1日何回も押しているので、正確に計測すると恐ろしい数になると思います。
このように私たちは「ボタンを押す」ことで沢山のメリットを受け取っているのです。
実は「ボタンを押す」ことによるメリットが、私達が「ボタンを押す」ことで快感を得ることと深く関係しています。
そもそも私達が快感を感じるのは、私達の脳内で「ドーパミン(Dopamine)」という快楽物質が出るからだということが知られています。
ではこの快感物質の「ドーパミン」はどんな時に出るのでしょうか?それは下記のような場合に出ることが分かっています。
【1】楽しいことをしているとき
【2】美味しいものを食べているとき
【3】目的を達成したとき
【4】新しい行動を始めようとするとき
【5】他人に褒められたとき
【6】好奇心が働いているとき
【7】恋愛感情やときめきを感じているとき
【8】意欲的な、やる気が出た状態になっているとき
など
上記の例を見ると分かると思いますが「ボタンを押す」場面に関係するのは『【3】目的を達成したとき』だということが分かります。
先程もご紹介した通り「押しボタン」は「 押すことによって動作するスイッチの一種」です。
つまり「ボタンを押す」ことによって、必ず『【3】目的を達成したとき』という結果が得られることになります。
結論として「ボタンを押す」=『【3】目的を達成したとき』となるので、「ボタンを押す」ことで脳内で快感物質の「ドーパミン」が出ることになります。
しかも「ボタンを押す」行為は1日で何十回も体験することになるので、「ボタンを押す」快感は日を重ねるごとに強化されていくことになります。
最初に例としてご紹介しましたが、電車の緊急停止ボタンは「赤いボタン」となっています。
このように「赤いボタン」は緊急用の非常用ボタンになっている場合が多いと言えます。
それだけに「赤いボタン」が目の前にあったからと言っても多くの人は簡単に押すことはできません。
人間は赤いボタンを押すことで「ドーパミン」などの快楽物質が出るということをご紹介しましたが、それは赤いボタンでも変わることはありません。
私達は無意識に「赤いボタン=非常用ボタン」と赤いボタンの重要性や危険性を知っています。
それだけに「ボタンを押したい」という欲求と「赤いボタンは押しては駄目だ」という抑制が同時に働くことになってしまいます。
ですが人間というものは「禁止をされると余計に、禁止されたことをしたくなる」という欲求を持っているものです。
「カリギュラ効果」とは、1980年のアメリカ・イタリア合作映画「カリギュラ」が語源となっています。映画「カリギュラ」はその過激な内容から上映禁止となってしまいました。
ところが映画「カリギュラ」が上映禁止になってしまったことから、逆にその映画が世間で大きな話題になってしまったのです。
つまり、もし電車の中などで「非常用の赤いボタン」を見た時「ボタンを押してみたい」とか「このボタンを押したらどうなるんだろう?」と想像したとしても、全然おかしなことではないのです。
例えば「赤いボタン」はどのような場所に使用されているのでしょうか?
・電車の緊急停止ボタン
・エレベーターの非常ボタン
・踏切の非常用ボタン
・店舗の営業時間中の防犯対策・緊急連絡ボタン
・防犯の為の緊急通報装置
・公衆電話の非常ボタン
・公衆トイレの緊急呼び出しボタン
など
エイプリルフールになると多くの企業や個人で色々な試みが発表されますよね。
今回ご紹介するのもそのような試みの1つです。
これは海外での実験ですが、4月1日にインターネット上に「赤いボタン」が設置されました。
この「赤いボタン」にはカウントダウンタイマーがついていました。タイマーは60秒からカウントダウンされる仕組みになっていました。
こんな「赤いボタン(カウントダウンタイマー)」をインターネットで見つけたら、とりあえずボタンを押したくなってしまいますよね。
結果として、この「赤いボタン(カウントダウンタイマー)」は一部の人から話題となり「赤いボタン」は多くの人から押されまくることになります。
驚くべきことに、その「赤いボタン」は1万回も押されることになってしまいます。そして60秒のカウントダウンタイマーがゼロになったのは、に6月初旬になっということです。
なんとエイプリルフールの企画が2ヶ月以上も忘れさられることなく、常に多くの人から「赤いボタン」を押され続けたのですから、凄い出来事ですよね。
「絶対に押してはいけないボタン」とは人気の高いiPhoneアプリです。
その名前の通り「絶対に押してはいけない赤いボタン」を押すとゲームオーバーになる脱出ゲームです。
ゲームのグラフィックがシンプルというか、正直しょぼい所はありますが、一応に楽しめるゲームです。
評価も★4.5で、535人が評価しているので一度はやってみる価値はあるでしょう。
ということで私も試しに、脱出ゲーム「絶対に押してはいけないボタン」をiPhoneにインストールしてやってみました。
(ボク)「目が覚めると、ボクは真っ暗な部屋にいた。」
(誰かの声)「おはよう。これからテストを開始する」
(ボク)「テストってなんだ?ここはどこだ?」
(誰かの声)「ルールは1つ、赤いボタンは絶対に押すな。」
(ボク)なにを言っているんだ?「ここから出してください!」ボクは叫んだ!
(誰かの声)「いいか、『赤いボタンは絶対に押すな。』それだけだ。」
(ボク)だからないを言ってんだ。「帰りたいんですけど~~~~!!」
【部屋から脱出しよう】(ゲーム内容の説明)
・気になるところをタップ(調べる/使う)脱出に必要なアイテムやヒントを見つけよう!
・タップでアイテム選択(アイテムを使えるところを探そう!
・2回タップでアイテムを拡大
私は脱出ゲームにあまり興味がありませんでしたが、自分のような初心者でも楽しめるゲームだと思いました。
正直グラフィックがショボイですが、内容はしっかりしているので見た目を我慢すれば面白いゲームだと思います。
ちなみにゲームを進める上で、つまずかないように「ヒント」なども用意されているので私的には嬉しいシステムでした。
追伸、絶対に押してはいけないと言われている「赤いボタン」を押すと自分が閉じ込められている部屋が爆発するので気をつけてくださいね。