はじめに

走行距離税(走行距離課税)は、自動車が走行した距離を基準に課税する新しい仕組みです。ガソリン税などの燃料課税はEVの普及で減少し、財源確保のため新税が検討されています。しかし、2025年8月現在、導入は未決定で開始時期も明示されていません
本記事では、走行距離税の仕組み、いくらになる可能性があるのか、発案者は誰か、バイクやEV・中古車は対象か、地方やガソリン車への影響、海外事例、なぜ議論されているのか、そして今すべきことを網羅的に解説します。

走行距離税はいくらになるのか?「40円」の噂は本当?

SNSや一部記事で「1kmあたり40円」という情報が拡散しましたが、これは根拠のない数字であり、公式な発表はありません
試算としてよく使われるのは、ガソリン税相当額を距離課税に置き換えた場合の目安で、1kmあたり0.5〜1円程度が現実的だとされています。例えば、年間1万km走行する場合:

仮定税率 年間負担額(1万km)
0.5円/km 5,000円
1円/km 10,000円
40円/km 400,000円(非現実的)

「40円/km」はデマに近い数値であり、過剰な不安をあおる情報には注意が必要です。

「走行距離税 頭おかしい」と言われる理由と冷静な事実

SNSや掲示板では「自民党は頭おかしい」「新たな増税ばかり」という批判が多く見られます。この感情は、生活への影響不安や制度の不透明さから来ています。
ただし、公式資料では「公平・中立・簡素な制度への再構築を中長期的に検討」と明記されており、即時導入ではありません。感情的な批判ではなく、一次情報を確認して事実に基づいた議論をすることが重要です。

車・バイク・中古車は対象になる?

  • 車(ガソリン車・EV):自動車全般が議論対象ですが、課税方式によっては軽自動車やEVに特例措置が設けられる可能性があります。
  • バイク(二輪車):現時点では明確な言及はありません。ただし、道路利用の観点から将来的に議論対象になる可能性があります。
  • 中古車:新車・中古車の区別は関係なく、「走行距離」に基づく課税なので、中古車も対象になる見込みです。

走行距離税はどうやってわかる?計測方法の候補

課税には正確な距離計測が必要です。検討されている主な方法は以下の通りです。

方法 課題
車検時メーター確認 年1回なので精度が低い
ETCデータ 一般道の走行を把握できない
GPS連動車載器 高精度だがプライバシーや導入コスト懸念

特にGPS方式はプライバシー問題が最大のハードルです。

走行距離税はどうなった?現在の結論

  • 現状:導入は決まっていない。与党税制改正大綱では「中長期的検討」止まり。
  • デマ:「4月から導入」などの情報はファクトチェックで否定。
  • 今後の流れ:制度設計→実証実験→法改正→周知、という段階を踏むため、数年単位で導入される可能性があるが、時期は未定

なぜ走行距離税が議論されているのか

最大の理由は税収の減少です。燃料課税(ガソリン税など)はEV普及で減り続けています。道路の維持管理には年間数兆円が必要で、その財源をどう確保するかが課題です。
また、公平性の観点も重要で、「ガソリン車だけが負担するのは不公平」という指摘があります。

走行距離税と電気自動車・ガソリン車の関係

  • EV(電気自動車):ガソリンを使わないため、現行制度ではガソリン税を負担しない→走行距離税の対象となる可能性が高い。
  • ガソリン車:すでにガソリン税を払っているため、二重課税にならない設計が必要。ガソリン税を廃止して距離課税に一本化する案が検討されています。

地方への影響は?都市部との負担格差

地方では車依存度が高く、長距離通勤や買い物移動が必須のため、課税導入で負担増となる懸念があります。このため、地域係数や上限制度、軽減措置の導入が不可欠とされています。

走行距離税の対象範囲は?

  • 対象候補:自家用車、商用車、EV、ガソリン車。
  • 対象外の可能性:農業用車両や特定業務用車両には免除や特例の議論があり得ます。

制度設計次第で大きく変わるため、現時点で確定情報はありません

走行距離税の発案者は誰?誰が言い出した?

「走行距離税」を最初に提言したのは、政府税制調査会や与党税制調査会の議論の中です。特定の政治家個人の発案ではなく、ガソリン税収減への対応を目的とした政策検討の一環として出されています。

海外の走行距離税事例

  • ドイツ:重量課金方式で大型車を対象。
  • アメリカ(オレゴン州):GPS連動で試験導入。
  • オランダ:全国的な距離課税を検討するも、プライバシー問題で停滞。

日本で導入する場合、プライバシー対策・制度コスト・公平性が最大の論点となります。

今やるべきこと

  • 公的資料を確認:財務省や政府税制調査会のPDFを定期チェック。
  • 年間走行距離を把握:アプリやメーターで月次管理。
  • 車利用の見直し:カーシェア、テレワークを取り入れ、将来の負担を減らす。
  • プライバシー問題を注視:GPS方式が導入される場合の個人情報管理を確認。
  • パブリックコメントに意見を出す:制度案が出た段階で積極的に参加。

まとめ

走行距離税は、税収減と公平性確保のための新税として検討されているが、現時点では導入未定です。「1km40円」や「来月から導入」などの情報はデマで、制度の詳細はこれから詰められます。
冷静に一次情報を確認し、誤情報に惑わされないことが重要です。

参考情報(一次資料)