報道番組『報道ステーション』(テレビ朝日系)のメインキャスター・大越健介氏が、SNS上で「右翼叩き」「偏向報道」と批判を受け、炎上状態が続いています。きっかけは、自民党総裁選に関する討論会(9月23日放送)の進行でした。高市早苗氏の発言時間が短く、小泉進次郎氏に多くの発言機会を与えたように見えたことから、SNSで「偏向している」との指摘が殺到。

さらに、9月29日に放送された世論調査報道でも「高市氏不利」と映る内容が発表され、「うさん臭い」「世論誘導」といった批判が相次ぎました。

本記事では、

  • 大越健介氏の経歴
  • 炎上の経緯とSNS反応
  • SmartFLASH報道の要点
  • 偏向の有無を判断するための検証材料

を網羅的に整理し、読者が事実に基づいて判断できる中立的情報を提供します。

大越健介の経歴:政治報道を牽引してきたベテランキャスター

経歴 補足
1961年 新潟県生まれ 新潟高校卒業
1985年 東京大学文学部卒業後、NHK入局 政治部・経済部で取材
2000年代 ワシントン支局長 外交・安全保障分野に精通
2010年 『ニュースウオッチ9』メインキャスター就任 国際情勢・政治を中心に担当
2021年 NHK退職、テレビ朝日系『報道ステーション』メインキャスター就任 民放初レギュラー
著書 『ニュースキャスター』(NHK出版)など ジャーナリズム論に基づく報道哲学を展開

長年NHKの看板記者として活動してきた氏は、中立性を重んじる取材姿勢を信条としており、政治討論や外交報道の経験も豊富です。一方で、民放移籍後は進行スタイルが変わり、SNS時代特有の「切り取り炎上」の影響を受けやすくなったともいえます。

炎上の発端:9月23日の討論会での「進行バランス」への批判

炎上の第一波は、9月23日放送の自民党総裁選・候補者討論会。番組内で、大越氏が高市早苗氏の発言を制し、小泉進次郎氏へ質問を振ったことがSNSで注目されました。

短い切り抜き動画では、高市氏が途中で話を止められたように見え、

  • 「なぜ高市氏だけ遮るのか」
  • 「小泉氏を優遇している」

といった声がX(旧Twitter)で急増。「#報ステ偏向」「#右翼叩き」などのハッシュタグがトレンド入りし、偏向報道疑惑として拡散しました。

しかし、番組全体を通して確認すると、持ち時間の公平な調整を行っていた可能性もあり、断片映像のみでは意図を判断するのは困難です。討論会のテンポ維持を目的とした進行か、意図的な介入だったのか、判断には番組全編の検証が必要です。

二次炎上:9月29日の「世論調査報道」にも批判集中

SmartFLASHによると、9月29日の『報道ステーション』では、次期総裁に関する世論調査の結果を放送しました。
ANNnewsCH(公式YouTubeチャンネル)でも同内容が報じられています。

調査項目 結果
「次の総裁は誰がよいか」 小泉氏33%、高市氏31%、林氏以下
自民党支持層に限定 小泉氏41%、高市氏24%と大差
党員票の推計 小泉121、高市71、林47、茂木12、小林9

一見、中立的な数値報道でしたが、SNSでは再び批判が噴出しました。

  • 《こんなもん世論誘導調査やし、調査にもならん》
  • 《報ステは高市氏潰しに奔走》
  • 《ニュースがうさん臭くて信用できない》

背景には、23日の偏向疑惑が尾を引いていたことが挙げられます。一度「偏向イメージ」が定着すると、報道内容が客観的でも“色眼鏡”で見られるリスクが高まる点を、SmartFLASH記事も指摘しています。

「一度でも『偏向報道』といったイメージを持たれると、視聴者から色眼鏡で見られるようになる」(政治担当記者)

このように、番組の信頼性は“perception(印象)”に左右されやすく、報道倫理の維持が極めて難しい時代に突入していることを示しています。

SNS世論の傾向と誤認の可能性

SNS分析では、批判の多くが映像の一部切り抜き他メディア経由の再投稿から発生していることが確認されています。
また、「高市氏の持ち時間が短い」との指摘も、実際には討論全体で均等配分されていた可能性があり、事実と異なる印象操作が起きている懸念もあります。

一方、番組擁護派からは「全体を見ればバランスは取れていた」「進行上の判断だ」との冷静な指摘もあり、SNS空間では賛否両論が併存しています。
偏向の有無を判断するには、SNSの断片ではなく、公式映像・放送アーカイブを視聴して文脈を確認することが不可欠です。

公平性の基準から見るメディア倫理

BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理指針では、「出演者の発言を制限すること自体は偏向にあたらない」とされています。重要なのは、全体構成での均衡と透明性です。

また、政治報道における公平性は「発言機会の総量」「論点提示の対称性」「質問のバランス」など、複合的に評価されます。
大越氏の進行を巡る議論も、これらの観点から総合的に判断する必要があります。

偏向かどうかを判断するためのチェックポイント

チェック項目 内容
映像全体の確認 切り抜き動画だけでなく、番組全体を視聴したか
他候補の扱い 他の出演者にも同様の制限があったか
時間配分の実態 各候補の発言時間に大きな偏りがないか
番組構成の意図 進行上の都合か、政治的意図かを考慮したか
複数ソース確認 ANNnewsCH、公式発表、他局報道も参照したか

このチェックリストを活用すれば、SNSの印象に左右されず、自ら冷静に真偽を見極める力を養うことができます。

編集部の見解:現時点の判断

現時点で確認できる事実は以下の通りです。

  • 9月23日の討論会では発言制限のような場面が存在
  • 9月29日の世論調査報道は客観的データに基づいていた
  • SNS上で偏向批判が拡散し、報道姿勢全体への不信感が波及

これらを総合すると、「意図的な右翼叩き」や「特定候補への誘導」を断定できる明確な証拠はありません。
ただし、番組進行の印象視聴者の信頼の揺らぎは深刻であり、今後の『報ステ』にはより丁寧な説明と透明性の確保が求められます。

するべきこと:信頼回復のための3つの方策

対応策 内容
① 公式釈明・説明 番組側が討論会の進行意図を明確化
② 映像の全編公開 編集なしの映像を視聴者に提示
③ 継続的対話 視聴者意見を受け止める双方向型報道へ

これらを実行することで、報道の信頼性を再構築できるでしょう。透明性と説明責任こそ、今の時代に求められるメディアの姿勢です。

参考資料・情報元(すべて現在有効)

📌 まとめ
SNS時代の報道は、「内容」だけでなく「印象」も炎上の火種となります。
視聴者もメディアも、断片ではなく全体を見て判断する姿勢が求められています。