はじめに

『ラヴ上等』第4話は、これまで積み重ねられてきた感情や関係性が一気に噴き出した、まさに“修羅場回”と呼ぶにふさわしい内容でした。
恋愛リアリティ番組では珍しくない三角関係や心変わりだけでなく、「一途な恋の終焉」「流血を伴うトラブル」「退学の危機」という、感情と事件が同時進行で襲いかかる構成は、視聴者の感情を休ませてくれません。

特に印象的だったのは、「悪意のない正直さ」と「身を守るための反射的行動」が、どちらも誰かを深く傷つけてしまうという点です。
第4話は単なる恋の進展回ではなく、人が人と関わるときに生まれる“ズレ”や“防衛本能”を真正面から描いた回だったと言えるでしょう。

きーちゃんとタックルの温度差が示した“残酷な現実”

きーちゃんとタックルの関係は、視聴者の多くが「安定枠」だと感じていた組み合わせでした。
タックルは終始一途で、言葉も態度もブレない。それゆえに、いつかきーちゃんの心に届くと信じていた人も多かったはずです。

しかし、きーちゃんが口にした言葉は、非常に現実的で、だからこそ残酷でした。
「響いていない」「男として見られていない」「一途すぎて気持ちが追いつかない」。
これらは決して相手を貶める言葉ではなく、むしろ誠実さの裏返しです。

恋愛において、“一途であること”は必ずしも武器にならない。
第4話は、その事実をタックルという存在を通して突きつけてきました。
一方で、きーちゃんが「話しやすい」と感じるつーちゃんへ気持ちを傾けていく様子は、恋が理屈ではなく感覚で動くものだということを如実に示しています。

新メンバー「あも」登場が引き起こした想定外の悲劇

新メンバー・あもの登場は、番組に新たな風を吹き込むはずでした。
しかし、その“挨拶代わり”となったショーパブでの出来事は、番組史上でも異例の事態へと発展します。

ショーの演出として撒かれた水がBabyにかかり、それを「故意」と受け取ってしまったBaby。
その怒りの矛先が、無関係だったはずのあもに向かい、水をかけ返すという行動に出てしまいます。
さらに不運が重なり、グラスか何かが当たったことで、あもの顔に傷が残る結果となりました。

ここで重要なのは、Babyが“悪意を持って傷つけようとしたわけではない”という点です。
しかし、結果として取り返しのつかない事態を招いてしまった以上、行動の責任は免れません。
恋愛リアリティという枠を超え、「現実社会と同じルール」が適用される瞬間でした。

Babyが語った「やられたらやり返す」という心の癖

スタッフに呼び出され、退学の可能性を突きつけられたBabyは、自身の過去と向き合うことになります。
彼女が語った「やられたら先にやり返す」という考え方は、攻撃性ではなく、防衛本能そのものだったと言えるでしょう。

過酷な環境で育った経験が、無意識のうちに“先制防御”を選ばせてしまう。
第4話では、その心の癖が、最も出てほしくない形で表に出てしまいました。

それでも、Babyは逃げずにあもと向き合い、言葉を交わし、最終的には和解に至ります。
この過程は、単なる謝罪シーンではなく、「人が変わろうとする瞬間」を描いた重要な場面でした。
退学を免れたこと以上に、この経験が今後のBabyにどう影響するのかが注目されます。

複雑化する恋の矢印と“本音”が見え始めた瞬間

第4話では、恋の矢印が一気に動き始めました。
ツーショットタイムで明らかになったのは、気持ちは常に流動的で、安定など存在しないという現実です。

特に象徴的だったのが、二世の心変わりでした。
Babyに向いていた矢印が、新メンバーあもへと向かう様子は、年齢や価値観の近さが恋に与える影響を感じさせます。

また、おとさんが二世への想いを自覚しながらも、「素直になれない」と語る姿は、多くの視聴者の共感を集めました。
頭では分かっているのに、感情が追いつかない。
第4話は、そんな“大人の恋の不器用さ”も丁寧に描いています。

サウナタイム指名が意味する次回への伏線

ラストのサウナタイムで、おとさんが指名したのは二世でした。
この選択は、単なる会話の時間以上の意味を持っています。

てんてんとの関係が安定しているように見えたおとさんが、あえて二世を選んだ理由。
そこには、「本心から逃げない」という決意が垣間見えました。

第4話はここで終わりますが、このサウナで交わされる会話次第で、相関図はさらに大きく塗り替えられる可能性があります。
次回が“静かな回”になるとは、到底思えません。

まとめ|ラヴ上等4話は「感情が暴発した転換点」

『ラヴ上等』第4話は、番組史上でも屈指の衝撃回でした。
流血トラブルという最悪の事態を乗り越えつつ、一途な恋が終わり、新たな恋が芽吹き始める。
この回を境に、番組の空気は明らかに変わったと言えます。

恋は優しさだけでは続かず、防衛本能は時に人を傷つける。
第4話は、その現実を真正面から描いたからこそ、多くの視聴者の心に強く残りました。

そして、迷宮入りし始めた恋の矢印。
次回、第5話では、誰が踏み出し、誰が立ち止まるのか。
波乱は、まだ始まったばかりです。

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