青切符とは?自転車にも導入される「交通反則通告制度」
青切符とは、交通違反をした運転者に交付される「交通反則通告書」の通称であり、反則金を納付することで刑事罰を免れられる制度です。これまで自動車やバイクが対象でしたが、2026年4月1日(令和8年4月1日)から自転車にも適用されます。
この制度の導入により、従来の「警告や指導」中心だった自転車違反にも、正式な反則処理が行われるようになります。対象は16歳以上の自転車運転者。信号無視や一時不停止など、悪質な違反に対して反則金が科されます。
目的は、自転車の交通ルール遵守を徹底し、事故の抑止と安全意識の向上を図ること。今後、自転車利用者は「軽車両」としての法的責任を一層意識する必要があります。
自転車違反の青切符はいつから?施行日と背景
自転車違反に対する青切符制度は、2026年4月1日から全国で施行されます。これは、2023年の道路交通法改正によって新たに定められたもので、警察庁が正式に発表しています。
導入の背景には、年々増加する自転車事故と、悪質な違反行為の増加があります。特にスマートフォンのながら運転や信号無視などが事故原因として多く、行政指導だけでは抑止が難しいという課題がありました。
このため、青切符制度により「違反=反則金」という明確なペナルティを設けることで、交通マナーの改善と事故の減少を目指しています。施行に伴い、自治体ごとに違反例や反則金額の目安が公表される予定です。
対象となる主な違反と反則金の目安
自転車の青切符制度では、特に危険性が高く、事故につながりやすい行為が対象となります。以下の表に、主な違反例と反則金の目安を示します。金額は自治体により多少異なる場合があります。
違反内容 | 概要 | 反則金の目安(円) | 備考 |
---|---|---|---|
信号無視 | 赤信号や点滅信号を無視して通行 | 約6,000円 | 重大事故につながる違反 |
一時不停止 | 停止線や標識のある場所で止まらない | 約5,000円 | 子どもの飛び出しなど危険 |
ながらスマホ運転 | 走行中にスマホを操作 | 約12,000円 | 罰則強化対象 |
右側通行 | 逆走して走る行為 | 約5,000円 | 夜間事故の原因にも |
酒気帯び運転 | 飲酒後の自転車運転 | 約12,000円 | 危険行為として厳罰対象 |
傘差し運転・片手運転 | 両手が使えずバランスを崩す恐れ | 約4,000円 | 規制対象地域あり |
反則金を納めることで、刑事罰にはならず行政処理で完結しますが、悪質な場合は刑事罰に移行する可能性もあります。違反を繰り返すと講習命令の対象になる点にも注意が必要です。
青切符を切られたらどうする?手続きと対応方法
自転車で青切符を受け取った場合、慌てずに次の流れで対応しましょう。
- 内容の確認:違反の種類・場所・日時をしっかり確認。誤りがあればその場で警察官に質問。
- 控えの受領:交付された青切符(交通反則通告書)は、支払いに必要な重要書類。必ず保管。
- 支払い:指定された金融機関やコンビニで、交付日から原則7日以内に反則金を納付。
- 期限を過ぎた場合:未納のまま放置すると、刑事手続(略式裁判)に移行し、罰金刑になるおそれ。
- 異議申し立て:事実に誤りがある場合は、警察署または検察庁で申し立て可能。
支払い完了後は手続き終了となり、免許の点数制度がないため点数加算はありません。ただし、違反履歴は記録され、繰り返し違反すれば講習命令対象になります。
講習制度とは?再発防止のための安全教育
青切符を受けた人や、一定期間内に複数回違反を繰り返した人には、「自転車運転者講習」が命じられることがあります。
この講習は、交通安全教育の一環として実施され、受講命令が出た場合は受講義務があります。講習では、交通ルールの再確認や危険予測トレーニングが行われ、未受講の場合は5万円以下の罰金が科される可能性もあります。
講習の時間はおおむね3時間程度、費用は6,000円前後が目安(地域により差異あり)。通知が届いたら、指示に従い早めに予約・受講を済ませましょう。安全意識を高め、再発防止につなげることが目的です。
青切符を受けないために日常でできること
青切符の対象にならないためには、日頃から交通ルールを遵守することが何より重要です。以下のチェックリストを日常の運転に取り入れましょう。
- 信号や一時停止標識を必ず守る
- 夜間はライトを点灯する
- 走行中のスマホ操作は禁止
- イヤホンは片耳でも危険。走行中は外す
- 雨天時は傘を差さず、レインコートを使用
- 歩道は「歩行者優先」、徐行を徹底
- 飲酒後は絶対に乗らない
- 交差点では左右確認を徹底
- 並走運転をしない
- 子どもや高齢者が多い道では特に慎重に
家族内で情報共有し、特に16歳以上の高校生など、自転車通学者への啓発が不可欠です。小さな違反も命に関わる事故につながることを意識しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 16歳未満でも青切符の対象になりますか?
A. 原則として対象は16歳以上です。16歳未満は警告や指導が中心となります。
Q2. 反則金は支払わないとどうなりますか?
A. 支払いを怠ると刑事手続に移行し、罰金刑となる可能性があります。
Q3. 反則金の金額は全国一律ですか?
A. 基本的な基準はありますが、自治体ごとに若干の違いがあります。必ず最新情報を確認してください。
Q4. 講習はどこで受けられますか?
A. 各都道府県警察が指定する会場で受講します。通知書に記載された案内に従いましょう。
まとめ
2026年4月から、自転車にも青切符制度が導入されます。これにより、軽い気持ちでの信号無視やスマホ操作が、正式な「反則」として処理される時代になります。
重要なのは、制度を「罰則」として恐れるのではなく、安全な走行を促すきっかけとして捉えることです。今のうちからルールを見直し、正しい知識を家族で共有することで、安心・安全な自転車ライフを実現しましょう。
参考情報・出典
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警察庁「自転車は車のなかま~自転車はルールを守って安全運転」 —
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bicycle/info.html
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警視庁「自転車に関する道路交通法の改正について」 —
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/cycle_kaisei.html
-
警視庁「自転車運転者講習制度」 —
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/koshu.html
-
高崎市「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度(青切符)の適用」 —
https://www.city.takasaki.gunma.jp/page/70200.html
-
福井市「自転車の交通違反が交通反則通告制度(青切符)の対象となります」 —
https://www.city.fukui.lg.jp/kurasi/koutu/koutu-a/p071877.html
-
川口市「自転車の交通違反に反則金制度(青切符)が導入されます!」 —
https://www.city.kawaguchi.lg.jp/soshiki/01060/040/3/1/48545.html
-
武蔵村山市「自転車の青切符による取締りが開始されます!」 —
https://www.city.musashimurayama.lg.jp/kurashi/bousai/koutsu/1000110/1021418.html