はじめに

iwc 国際捕鯨委員会 現在 資金難 なぜ」という疑問を抱えて検索されたあなたへ。国際捕鯨委員会(IWC)は本来、鯨類の保全と持続可能な捕鯨管理を目的に設立された組織ですが、近年、その運営資金が逼迫し、研究・会議運営に支障が出つつあります。本稿では、現状を裏付ける一次資料をもとに「なぜ資金難になったか」を丁寧に分析し、影響とともにあなたや関係者が取るべき行動を示します。

IWC の資金構造と資金源の仕組み

IWC の公式解説によれば、組織の基幹財源(core funding)は加盟国からの拠出金(会費)であり、それに加えて任意寄付(政府・NGO・企業)が特定プログラム支援に用いられます。(iwc.int)

会費拠出は、以下の要素で各国に割り当てられます:

  • 直近の委員会会議に派遣した代表団規模
  • 捕鯨活動の有無
  • 各国の支払能力(国民総所得 GNI や一人当たり GNI に基づくグループ分類) (iwc.int)

この方式には、拠出が“能力ある国”に偏重し、低所得国には減免措置が適用される構造も含まれています。さらに、会合開催支援や研究予算(Scientific Committee Fund)などにもこの拠出金が割り振られ、会議経費や事務局運営費を支えています。(iwc.int)

しかし、これだけでは収支が見合わない場合があり、特定プロジェクトやワークショップには任意寄付が頼みとなる構成です。たとえば、IWC の “Voluntary Welfare Fund” は非捕鯨脅威(漁網絡絡み、座礁など)への対応を支援するために設立された任意拠出基金です。(iwc.int)

このような複数の資金源の組み合わせが、IWC の運営基盤をなしています。

なぜ今、IWC が資金難に陥っているのか:主な原因分析

原因 内容 実例・証拠
会費拠出の未納・遅延 加盟国の一部が年会費を滞納しており、予定収入を割り込む 2022年 IWC68 会議では、拠出不足が議題となり、予算合意が難航した。(awionline.org)
拡張したプログラムと支出の拡大 保護プログラムや会議・事務局業務が拡大し、支出が増加 日本 Forward は、IWC68での保全活動拡充で収入増が追いつかない旨を指摘。(japan-forward.com)
日本の脱退・主要国の立場変化 日本が 2019年に脱退し、従来の拠出の一端を失った IWC 公式は、日本政府の脱退通知を受領した旨を公表。(iwc.int)
インフレ・会議運営コストの上昇 世界的な物価上昇、旅費・会場費の増加が影響 IWC69 の報告では、研究予算 30%削減、会議予算 62%削減を余儀なくされた。(enb.iisd.org)
政治対立・合意形成の停滞 拠出を巡る政治的な駆け引きが予算決定を引き延ばす IWC68 で予算案合意が難航した経緯。(awionline.org)

特に、IWC69 において「研究予算 30%削減」「会議予算 62%削減」が採択されたことが、資金縮減の象徴的な事例です。(enb.iisd.org)

資金難がもたらす影響(IWC の“現場”が直面する課題)

1. 科学委員会の活動抑制

研究予算や会議予算が大幅に削られると、定期的なモニタリング調査が縮小され、専門家の参加と成果発表頻度が減る恐れがあります。IWC69 では研究予算 30%削減が決定されました。(enb.iisd.org)

2. 保全・管理能力の弱体化

鯨の海域保護、座礁対応や漁網絡絡み救助活動など、予算を伴う保全プロジェクトの実行が難しくなる可能性があります。これは IWC の存在意義そのものを揺るがします。

3. 意思決定プロセス遅延・透明性低下

予算をめぐる駆け引きや未拠出国の反発が合意形成を妨げ、会合そのものが長引いたり決定の質が劣化したりするリスクがあります。IWC68 では pro-whaling 国家が合意阻止のため会議を離席するなどの戦術も報じられています。(ifaw.org)

4. 制度存続の危機

場合によっては IWC 自体の存続が脅かされる可能性も指摘されており、IWC が破綻すれば、商業捕鯨のモラトリアム(包括的捕鯨禁止)が実効性を失うとの懸念もあります。(humaneworld.org)

今、取るべきこと(個人・団体・研究者にできる動き)

  • 信頼できる NGO・研究団体に寄付・支援
     IWC 本体への任意寄付も可能ですが、実務的に動いている NGO(たとえば OceanCare や IFAW など)を通じた支援が有効です。OceanCare は IWC の “Voluntary Fund for Small Cetaceans” などを助成してきた実績があります。(oceancare.org)
  • 情報発信と意識喚起
     SNS やブログで、IWC の資金難・その影響をわかりやすく伝える(簡潔なグラフ・図を用いると効果的)。たとえば「IWC 研究予算 30%削減」「会議予算 62%削減」という数字を参照して注目を集められます。(enb.iisd.org)
  • 学術・団体間コラボレーション提案
     研究者や保全団体間で共同プロジェクトを組み、資金をプールして IWC の科学プログラムと連携する仕組みを提案・実施する。
  • 政策提言・政府への働きかけ
     加盟国政府に対し、IWC への拠出意義を説明する提言書を送付。特に環境省・外務省などの担当部局に働きかける。
  • 財務透明性の監視要請
     IWC や関係機関への情報公開要求を強め、予算の使途や未拠出国リスト、決算報告書などを常時モニタリングする。

よくある質問(FAQ)

Q:IWC は本当に資金難なの?

A:はい。IWC68・IWC69 会議記録には、予算合意が困難になった旨、拠出不足による支出削減が議論された記述があります。(awionline.org)

Q:日本の脱退は大きな原因か?

A:一定の影響はあります。日本は従来 IWC において拠出・会議参加の大国であったため脱退後の財源減は無視できません。(iwc.int) ただし、主要因は拠出未納・支出拡大・インフレなどの複合要素です。

Q:IWC がなくなったらどうなる?

A:商業捕鯨禁止(モラトリアム)の枠組みが弱体化し、保全活動・科学的モニタリングが後退する恐れがあります。特に途上国では資源管理能力が追いつかない場合もあります。

まとめ

IWC(国際捕鯨委員会)が現在資金難に直面しているのは、会費拠出の未納・支出拡大・インフレ・主要国脱退・政治的駆け引きなどが重層的に絡んだ結果です。これによって科学活動・保全機能・意思決定能力は著しく制約を受けており、最悪の場合は制度存続そのものが危機化します。

しかし、私たち一人ひとりにもできる支援はあります。信頼できる団体への寄付、情報発信、研究・団体間連携、政策提言などを通じて、IWC を支える力となることが可能です。

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