イルミナティカードとは?その正体と背景

イルミナティカードは、1982年にスティーブ・ジャクソン・ゲームズ(SJ Games)から発売されたカードゲームです。陰謀論や都市伝説をテーマにした独特のデザインで、当初は風刺的な娯楽作品として人気を集めました。

ところが、時が経つにつれて、このカードに描かれたイラストが、9.11テロやパンデミック、人工地震といった重大事件を「予言していたのではないか」と騒がれるようになり、都市伝説として広く語られるようになったのです。

「本当に予言されていたのか?」という疑問は、今も多くの人の好奇心を刺激し続けています。

話題となった「予言的」カード7選

ネットや番組などで話題になった“予言”とされる代表的なカードをまとめた表です。カード名とそのイラスト、どの出来事と関連付けられているかを示します。

カード名 描写された内容 関連付けられる出来事
Terrorist Nuke 爆発するビル(ツインタワー風) 9.11同時多発テロ
Pentagon 炎上する五角形の建物 ペンタゴン爆発(9.11関連)
Epidemic マスク姿の群衆、赤いウイルス状エフェクト 新型コロナウイルス
Combined Disasters 人々が逃げ惑う中、日本風の時計塔が崩壊 阪神淡路大震災、311地震など
Population Reduction ガスマスク、白骨死体など人口削減を暗示 ワクチン陰謀論、計画的人口削減説
Center for Disease Control 微生物の拡大イメージ、医療センター WHO、CDC、パンデミック管理陰謀
Eliza AIチャット風の人物イラスト AIによる支配予兆?

これらのカードは、SNSや動画サイトで「未来を予言していた」と拡散され、関暁夫氏の『やりすぎ都市伝説』シリーズでも紹介されるなど、注目を浴びています。

なぜ都市伝説として語られるのか?その理由

1. 抽象的な表現で多義的に読める

カードのイラストやテキストは、風刺やパロディが多く含まれており、明確な出来事を示しているわけではありません。しかし、抽象的な描写は解釈の幅が広く、後の出来事に「当てはめ」やすい性質を持っています。

2. 人々の不安心理と陰謀思考

パンデミックや戦争、大地震など、予測不可能な出来事が起きると、「誰かが意図的に仕組んでいたのでは?」という不安が人々に広がります。その中で、過去のイラストに“根拠”を見出すことは、心理的な安心を得るための一つの行動でもあります。

3. メディアやSNSの拡散力

YouTube、X(旧Twitter)、TikTokなどのSNSでは、「このカードは〇〇を予言していた!」という動画や投稿が数多くシェアされ、瞬時に拡散されます。視覚的インパクトが強いカードイラストは、拡散に非常に向いています。

予言は本当か?信じる前にするべきこと

都市伝説を信じる前に、以下のような行動を取ることで、情報の正確性を自分自身で見極める力を養うことができます。

するべきこと 内容
一次資料を確認する 元となるカードの発売年や公式情報、当時の背景を調査する。
複数の視点から調べる 陰謀論だけでなく、専門家の反論や科学的見解も調べて比較する。
SNSやメディアの出どころを検証する 情報源が信頼できるかどうか(公式発表か、個人の憶測か)を確認する。
感情的な判断を避ける 驚きや恐怖で思考停止せず、冷静に分析する癖をつける。

都市伝説を“楽しむ”ための視点とは?

都市伝説は、事実として信じ込むのではなく、「考察する知的遊び」として楽しむことが本来の在り方です。

  • 歴史・陰謀・科学など、幅広い知識と繋がることで知的探求が深まる
  • 他者との議論や共有で、異なる価値観を知るきっかけになる
  • SFやフィクションに近い感覚で楽しむこともできる

大切なのは、エンタメと現実の境界線を自分で引くこと。それができれば、イルミナティカードはただの“謎”の象徴ではなく、世界を多角的に見るトレーニングツールにもなり得ます。

まとめ:真実を見極める目を持とう

イルミナティカード都市伝説は、確かに多くの人の心を惹きつけてやみません。しかし、それが“予言”であると断定するには、根拠が不足しています。むしろ、それをどう読み解くかが重要です。

このカードが語るのは未来ではなく、「私たち自身が世界をどう見るか」という鏡なのかもしれません。

参考資料・出典