少し古いデータとなりますが2015年で比較すると、日本全国のコンビニの店舗数は53,182軒です。
対して美容院の店舗数は231,134軒となり、コンビニよりも遥かに多い数のお店があることが分かります。
つまり美容院の店舗数はコンビニの店舗数の4倍以上ということになります。
今や現代人には生活の一部で最も欠かせないお店とも言えるコンビニ。そのコンビニよりも4倍以上も多くお店があるなんて非常に驚きです。
では、なぜ美容院がこんなにも沢山存在しているのかを調査して『日本にはコンビニの4倍もの美容院があるのはなぜ?その7つの理由とは』としてまとめてみました。
美容院業は、他の業種に比べて「個人経営(個人事業主)」が多い傾向にあります。
実際に美容院業の「個人経営」の割合は67.7%と7割近くにおよんでいます。
また個人経営の為にお店の従業員も少ない傾向にあります。例えば美容院業1施設当たりの平均従業者数をみると5.4人となっています。
つまり、個人での事業経営でなおかつ少人数での運営となっているということです。結果的に小規模の店舗が多くなり、店舗数も増える傾向にあるのです。
例えば美容院に通う人の多くは「馴染みの店を持っている」と言っても珍しいことではないでしょう。
私自身もそんなにオシャレに気を使う方ではありませんが、美容院に行く際には同じ店で同じ担当の方に髪を切ってもらいます。
このように美容院業で働いている方で一人前になってくると個々人でお客さんを持つことになってきます。
また、お店で一二を争う程の技術とサービスを持つようになってくると、お店の売上の多くを上げるという場合も珍しくありません。
つまり、お店の売上の多くの要素がお店のスタッフ(個人)のスキルに依存していることになります。
そしてスタッフ個々人が「一人前になった」と自覚した時に、「独立したい」と考えることは珍しいことではないでしょう。
美容院で働いているスタッフというと比較的年齢が若い人が多いように感じられます。
それは美容院という業種の性格上、どうしても流行に敏感でなけらばならない傾向にあるからです。
一般的に流行に敏感なのは、年配の人よりも若い人と相場は決まっています。
その為、流行に敏感な若いスタッフが重宝される業界であるとも言えるでしょう。
そして流行を追うということは、流行に取り残されるスタッフや美容院のお店も一定数現れるとも言えるのです。
美容院のサービス言うと一般的には「髪のカットやカラーリングやセット」でしょうか。
ですが、下記のように美容院のサービス内容と言うと実に多種多様です。
・ネイル
・フェイシャル・エステ
・カラー
・セット・ブロー
・カット
・パーマ
・着付け
・縮毛矯正
など
特にネイルなどは「芸術的な要素」や「お客様の個人の好み」が色濃く反映します。
それだけに、新しい技法やサービスが生まれやすいサービスかもしれません。
このように新しいサービスが絶えず生まれているのが美容院業界なのです。
そして新しいサービスが生まれるのに合わせて新しい美容院が開店することになります。
流行に敏感な女性が美容院に通うとすれば、やはりダサいお店よりもオシャレなお店に通いたいと思うものです。
オシャレなお店というと働いている従業員スタッフがオシャレであることは当然です。またそれ以上にお店がオシャレである必要があるでしょう。
先程ご紹介したように、流行の移り変わりが激しいということは、流行に取り残されるのも早いということになります。
それは、お店の外観や内装、設備なども例外ではありません。そして結果的にお店の設備全般の寿命が極端に短くなる傾向にあるのです。
美容師は給料や労働環境が悪いことで有名です。
例えば、美容院の1日の営業時間は「9~10時間未満」が44.5%と最も高くなっています。
つまり美容院の営業時間が「9~10時間未満」とすると、開店前の準備と閉店後の後片付けを考えると、労働時間は「10時間以上」と言うことになります。
特に駆け出しの若い美容師の方は「長い労働時間」+「安い給料」となり、特に大変な状況にあります。
その為、美容院で働いて一人前になった時には「より良い環境や条件」を求めて「独立」を考えるようになる人も多いのです。
例えば、店長候補や店長という立場でも労働条件や給料などは決して恵まれているわけではありません。
また美容院業界という性質上、流行について絶えずアンテナをはっている必要があります。
ですが、体力や流行の情報収集能力という点では、やはり10代~20代の人の方が優れている傾向にあります。
30代については、ある一定の流行収集能力は当然あるでしょうし、40代以上の人に比べ10代~20代の人との共感力も備わっています。
また30代と言えば技術と人間力の面で、一番充実している世代だとも言えます。
ですが、40歳を過ぎると、体力と若い人への共感力が衰えてくる傾向にあります。
結果的に、店長候補や店長という立場でも、自分以外の多くのスタッフが若い人という状況になった場合に、今後の身の振り方を考えるようになるようです。
その選択肢の1つとして「独立」があるのは言うまでもありません。また、他の選択肢として他業種への転職も考えられるでしょう。
ですが、40歳を過ぎて他業種に転職というのは美容院業界に限らず現実的とは言えないでしょう。
そう考えると美容院業界で働く人の多くが、年配と呼ばれる年になると、必然的に「独立(新しいお店のオーナーになる」というの規定路線と言えるのかもしれません。
【参考にした資料(出典)】
・厚生労働省ホームページ(美容業 結果の概要)
・日本フランチャイズチェーン協会「コンビニエンスストア統計データ」