国会議員の給与が月5万円増はなぜ?まず結論から

国会議員の給与が月5万円増額される背景には、一般の国民が理解しづらい「制度上の仕組み」があります。最も大きい理由は、議員給与が国家公務員の給与と連動しており、人事院勧告で公務員給与が上がれば、議員の歳費(給与)も自動的に上がりやすい構造になっていることです。
つまり、議員自身が「給料を上げたい」と言って増額しているというより、制度がそう設計されているため、国民の生活実感とは大きなズレが生じています。これが国民の“納得できない感情”の根本原因です。

なぜ国民の声が反映されない?国会議員給与の仕組み

国会議員の給与は「国会議員歳費法」で決まっており、人事院が勧告する公務員給与の改定を基準に動きます。つまり、公務員給与が上がると、議員の給与も“連動して上がる”可能性が高いのです。
この仕組みは「政治的な都合で給与を上げたり下げたりしないように」という建前で作られましたが、国民の実感と乖離した状況を生む原因にもなっています。生活が苦しくても、物価や公務員平均給与が上がれば議員給与も上がるため、国民から見ると「国会議員だけ自動的に上がっている」ように見えるのです。

国民は何を恐れているのか?

国民の不安は単純ではありません。「給料が上がっていること」より、

  • その仕組みが国民の感覚から離れていること
  • 大きな成果が見えない中で上がっていること
  • 国民生活が苦しい時期にも容赦なく上がること

この3つの要素のほうが強い不信感を生んでいます。
「政治家が自分たちで自分たちの給料を決めている」という誤解も影響していますが、実際には“制度がそう動く”ため、国民の声が入りにくい構造になっています。この“仕組みへの不信”こそ、最も恐れられている問題です。

より良い未来のために、私たちが知っておくべきこと

国会議員の給与は「民主主義の手続き」で改定されます。つまり、国会における議論の透明性や公務員給与との連動の見直しなど、仕組みそのものを改善すれば、国民の声が反映される余地は大きくあります。
私たちが必要なのは“怒り”ではなく、“理解”です。制度を知り、自分たちの生活がどう影響を受けるかを理解することで、初めて有権者として正しい判断を下すことができます。

国民ができる「するべきこと」

するべきこと 内容
情報を知る 国会での議論や提出法案は公開されている
意見を届ける 議員事務所にメール・手紙・署名で意見を送れる
選挙で意思を示す 給与制度改革を掲げる候補者を選ぶ

国会議員の給与は「変えられないもの」ではなく、国民の理解と意思で変えられる制度です。

【追記】国会議員給与に関するQ&A

Q1. 1999年以降も国会議員給与が上がった記憶があります。本当ですか?

はい、正しいです。1999年以降も議員給与は“上昇した時期”があります。ただし同時に“削減された時期”もあり、大幅カットが導入された年も存在します。つまり、「議員給与はずっと上がり続けてきた」という印象とは異なり、景気や政治状況に応じて増減が繰り返されてきたというのが実態です。

Q2. ではなぜ「1999年以来の引き上げ」と報道されるのですか?

今回の増額によって、議員給与が“1999年のピークに近い水準に戻る”ためです。2000年代にも上昇はありましたが、最も高かった1999年の水準に近づくことで、報道では「26年ぶり」と表現されているのです。

Q3. 国会議員の給与は“自動的に”上がる仕組みなのですか?

完全に自動ではありませんが、“ほぼ自動的に上がるように見える構造”です。公務員給与が上がれば、それに連動して議員給与も引き上げられるケースが多いため、国民の目には「毎年勝手に上がっている」ように映ります。

Q4. 削減された時期もあるのに、なぜ「議員給与は上がっている」と感じるのですか?

理由は次の3つです。

  • 増額のほうがニュースになりやすい
  • 国民生活が苦しい時期の増額は強く印象に残る
  • 「議員が自分たちで給与を決めている」というイメージがある

この3つが重なり、上昇している印象が強まっています。

Q5. 今回の月5万円増はどうなる可能性が高い?

最終決定は未定ですが、過去の流れを見る限り、公務員給与が上がった年は議員給与も上がる傾向が強いため、今回も増額される可能性は高いと言えます。

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