はじめに

ミラノ・コルティナ五輪の男子カーリングで発生した“不正疑惑騒動”が世界中で波紋を広げています。SNSでは「完全に反則ではないか」との声が相次ぎ、スローモーション動画が急速に拡散されました。

しかし結論から言えば、世界カーリング連盟は判定を覆していません。本記事では、問題の場面、ルール上の論点、そして公式判断までを整理し、冷静に事実を確認していきます。

問題となった“不正疑惑”の場面とは

騒動が起きたのは第9エンド。カナダ代表のマーク・ケネディがストーンを投じた直後、ホッグライン付近で指が再びストーン本体に触れたように見える場面が確認されました。

この行為が「ダブルタッチ」と呼ばれる違反ではないかと、スウェーデン側が強く抗議。試合は一時中断し、両チームがシートを挟んで激しく言い合う事態となりました。

問題の核心は、ホッグライン通過後にストーンへ再接触したかどうか、そしてそれがハンドル部分ではなく花こう岩本体だった点です。スローモーション映像では接触しているように見える角度もあり、疑惑は一気に拡大しました。

【動画】ミラノ五輪カーリングの反則の瞬間

※ファイヤーフォックスのブラウザで見た場合には、動画が表示されない場合がございます。

ダブルタッチとは何か

カーリングのルールでは、投球動作中にストーンへ再接触する行為は原則として認められていません。特にホッグライン通過後の接触は重大な違反とみなされる可能性があります。

項目 内容
ホッグライン 到達前に完全に手を離す必要あり
ダブルタッチ 投球後に再び触れる行為
本体接触 原則認められていない

現在の五輪ではハンドル部分にセンサーが組み込まれ、ホッグライン通過前に手が離れていない場合は赤ランプが点灯します。しかし今回の疑惑はハンドルではなく本体への接触であり、センサーでは検知できませんでした。

この“検知外領域”が今回の論争を複雑にしています。

SNSで炎上した理由

SNSでは拡散されたスロー動画が強い印象を与えました。特に海外メディアが「明らかに触れている」と報じたことで、「完全に反則だ」との声が急増しました。

炎上の背景には次の要素があります。

要因 内容
スロー映像 接触が強調される
五輪の舞台 注目度が高い
不適切発言 口論がさらに拡散

カナダ側の選手が感情的に反論し、不適切な言葉を発したことも火に油を注ぎました。映像とマイク音声が同時に拡散され、競技外の側面まで議論の対象となったのです。

世界カーリング連盟(WCF)の判断

世界カーリング連盟(WCF)は緊急声明を発表しました。

発表によれば、スウェーデン側の申し立てを受け、審判が3エンドにわたりホッグライン付近で投球を監視しましたが、違反は記録されなかったとしています。

さらに重要なのは、カーリングでは試合中の判定にビデオリプレー検証を用いない点です。

判断項目 内容
不正疑惑 判定覆さず
リプレー検証 使用しない
不適切発言 口頭警告

WCFは「試合中に下された決定は最終的なもの」と明言し、事実上この件を不問としました。ただし、カナダ選手の不適切発言には口頭警告を与え、今後同様の行為があれば制裁対象になるとしています。

なぜ判定は覆らなかったのか

カーリングは自己申告と相互尊重を前提とする競技です。審判は配置されていますが、すべての動作をビデオで再検証する制度はありません。

今回のケースでは、審判の目視確認で違反が認定されなかったことが決定的でした。ルール上、映像での後追い検証がない以上、試合中の判断が最終決定となります。

スロー映像では触れているように見えても、角度や光の反射による錯覚の可能性もあります。確証がない以上、競技規則に従った判断が優先されるのは当然といえます。

私たちがするべきこと

この騒動から学ぶべきことは、映像の印象と公式判断を分けて考える姿勢です。

するべきことは、まず公式発表を確認すること、次にルールを理解すること、そして感情的な投稿をそのまま信じないことです。

カーリング不正疑惑動画について興味を持っている人にとって重要なのは、「映像=真実」と短絡しない冷静さです。五輪という大舞台では、注目度の高さゆえに疑惑も拡大します。

しかし最終的な判断は競技規則と審判に委ねられます。私たちが持つべきなのは、批判よりも理解する姿勢ではないでしょうか。

参考資料

World Curling Federation 公式サイト

Olympic Games Official Site(カーリング競技情報)

CBS Sports(カーリング報道)