ホリエモンのロケット事業とは?
堀江貴文氏がファウンダーとして関わる宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ(IST)」は、北海道大樹町を拠点に小型ロケットの打ち上げを目指す企業です。民間による宇宙開発の実現を掲げ、これまでに複数のロケット打ち上げに挑戦しています。
このISTが近年、大型の政府補助金を受けていることが判明し、ホリエモンの発言との“温度差”に注目が集まっています。
ロケット補助金はいくら?最新の金額を解説
インターステラテクノロジズが現在受けている主要な公的支援は、「SBIR支援制度(中小企業イノベーション創出推進事業)」に基づくものです。宇宙分野を戦略的に支援する国の方針のもと、3フェーズに分けて段階的に補助金が投入されています。
以下にその金額をまとめます。
補助年度 | フェーズ | 補助額(円) | 事業内容 |
---|---|---|---|
2023年 | フェーズ1 | 約5億円 | 小型ロケット研究開発 |
2024年 | フェーズ2 | 約10億円 | 打ち上げシステムの整備 |
2025年 | フェーズ3 | 最大14.4億円 | 本格的商業打ち上げ体制の構築 |
― | ― | 最大80.7億円 | 長期プロジェクトとしての総支援見込み |
※金額は最大支給見込みであり、実際の支給額は事業の進捗状況によって変動します。
このように、ISTは日本政府から最大80.7億円の支援を受ける可能性があるという非常に大規模なプロジェクトであり、国の「宇宙戦略」における重要な民間パートナーの一つと位置付けられているのです。
補助金で発言が変わった?ホリエモン過去の政府批判
堀江氏はこれまで「補助金依存は害悪」と語っていた過去があり、政府・官僚に対して非常に批判的なスタンスを取ってきました。とくに注目されたのが、以下の発言です。
年金デモでの「税金泥棒」発言(2019年6月)
年金改革案に抗議する都内のデモに対して、ホリエモンはTwitterで次のように発言しました。
「税金泥棒め」「働いて納税しろ」
この発言は政府の年金制度に依存する人々を批判したものであり、「公的支援=甘え」という明確な思想が見て取れます。炎上後もこのスタンスを崩さず、「国に頼るな」「自分で稼げ」と強調していました(出典:スポーツ報知)。
また、以下のような主張も度々展開してきました:
- 官僚制度は時代遅れ
- 補助金頼りの企業は淘汰されるべき
- 税金でメシを食うやつにロクなやつはいない
このように、以前は明確に「反・公的資金」だったのです。
なぜ政府よりの発言に変わったのか?
ところが、2020年以降になると堀江氏の政府に対するスタンスは明らかに軟化し始めます。
たとえば、
- 「財務省解体デモ」には否定的な立場を表明
- 「政府の宇宙戦略には可能性がある」と評価
- 「規制改革を進める政治家は応援したい」と政府支援寄りの発言
この変化の背景には、ISTがSBIR制度で大型補助金を受ける立場になったことが影響していると見られています。つまり、
「反政府」から「政府と共に成長するパートナー」へと立場が変わった
と言っても過言ではないのです。
利益相反?変化は合理か矛盾か
ホリエモン自身は「自分に有利なら政府でも民間でも利用する」とする合理主義者です。その意味では、補助金を受けるのは戦略の一環であり矛盾ではないという見方もできます。
一方で、ネット上では次のような声も見られます。
- 「補助金をもらって発言が丸くなったのでは?」
- 「過去の政府批判と整合性が取れない」
- 「都合のいい時だけ制度を利用するのはダブルスタンダードでは?」
このように、ユーザーによって評価が真っ二つに割れる事例となっています。
私たちがするべきこと:情報を鵜呑みにしない3つの視点
堀江氏のように影響力のある人物の発言が変化する背景には、必ず何らかの構造的要因があります。以下のような視点を持って判断することが重要です。
視点 | 理由 | するべきこと |
---|---|---|
発言と資金の関係性を見る | 利害関係によって意見が変わることがある | 補助金の有無と発言の変化を時系列で照合する |
補助金の透明性を確認 | 本当に公正な支給かどうかをチェックできる | SBIR制度の公式資料や経産省の支援対象リストを確認 |
経済合理性を意識する | 政策や発言の裏にある戦略を見極められる | 「なぜこの制度を使うのか?」という視点で発言を読み解く |
まとめ:ホリエモンの補助金と発言変化は、現実的戦略か価値観の変節か?
- インターステラテクノロジズは、最大80.7億円規模の補助金を受けて民間ロケット事業を推進中。
- ホリエモンの政府批判スタンスは過去には過激で、「税金泥棒」発言もあった。
- 現在は補助金受給の立場に変わり、発言が政府擁護的になっているとの指摘も。
- 利用する制度の背景を理解し、鵜呑みにせず多面的に判断する姿勢が求められる。