はじめに

街を歩いていると、ときどき「本」が逆さまになっている看板を見かけることがあります。
「間違えて付けたのかな?」
「何か意味があるの?」
そう感じたことがある人も多いのではないでしょうか。

実はこの表現、単なるミスではなく、昔から使われてきた意味のある看板表現です。この記事では、「本が逆さまの看板」がなぜ存在するのか、どんな意味を持っていたのかを、初めて知る人にも分かるように解説します。

本が逆さまの看板とは?どんな場面で見かけるのか

本が逆さまの看板とは、本の絵や「本」という文字が、上下逆に描かれている看板のことです。
特に多かったのは、昔の古本屋や小さな書店です。

今のように派手なデザインや大きな広告がなかった時代、店の存在を知ってもらうには「目立つこと」が重要でした。その中で使われたのが、あえて“普通ではない状態”を作る方法です。本を逆さまにすることで、通りがかった人が思わず足を止め、「なぜだろう?」と看板を見るようになります。

つまり、本が逆さまの看板は、最初から「気づかせるため」に作られたものだったのです。

本が逆さまにされていた主な意味

本が逆さまの看板には、当時の人たちの工夫や事情が反映されています。主な意味を整理すると、次のようになります。

意味 内容
言葉遊び 古本を「降る本」とかけたダジャレ
裏の意味 表に出しにくい本を扱っている合図
目立たせる工夫 通行人の注意を引くため

古本屋では、「古本(ふるほん)」を「降る本」と見立てて、本をひっくり返すという、ちょっとした洒落として使われていました。また、当時は公に言いづらいジャンルの本を扱う店もあり、そうした店では、逆さまの本が「分かる人には分かるサイン」として使われていたこともあります。

逆さまの看板は本当に効果があったのか

「逆さにしただけで効果があるの?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、実際の調査結果を見ると、その効果ははっきりしています。

アンケート調査では、9割以上の人が「逆さまだから思わず見た」と回答しています。普通の看板なら気づかず通り過ぎてしまうところを、「おかしい」「気になる」という感情が、人の視線を引き止めていたのです。

一方で、「内容までは覚えていない」という声もありました。逆さまの表現は強い印象を残しますが、使い方を間違えると、肝心の情報が伝わりにくくなるという面もあります。それでも、「まず見てもらう」という役割は、しっかり果たしていたと言えるでしょう。

昭和の古本屋でよく使われていた理由

本が逆さまの看板が多く使われていたのは、特に昭和の時代です。
当時は、個人経営の古本屋や貸本屋が街のあちこちにありました。広告にお金をかけられない店も多く、できるだけ簡単で、分かりやすく目立つ方法が求められていました。

本を逆さまにするという方法は、特別な設備もいらず、一目で違和感を出せます。そのため、昭和の街並みの中で、自然と広まっていったと考えられます。今見ると不思議に感じる表現も、当時としてはとても実用的だったのです。

SNSで話題になった札幌の逆さ看板の例

近年、Xで注目を集めたのが、札幌市に実在していた「本」の字が逆さまの大きな看板です。
子どもの頃からその看板を見ていた人の中には、「意味が分からないまま大人になった」という人もいました。

後になって分かったのは、その建物にアダルト系の本やDVDを扱う店が入っていたということです。直接的な表現を使えない時代背景の中で、「普通の本屋ではない」ということを、逆さまの文字で示していた可能性が高いとされています。

現在その看板は撤去されていますが、「ずっと不思議だった看板の意味が分かった」と、多くの人が納得する結果となりました。

本が逆さまの看板を見たときにするべきこと

もし街で本が逆さまの看板を見かけたら、「間違いだ」と思う必要はありません。
その場所や建物、店の雰囲気を少し観察してみてください。

古い街並みや昔ながらの建物であれば、その看板は当時の文化や商売の工夫が残ったものかもしれません。意味を知ったうえで見ると、何気ない看板が、少し面白く感じられるはずです。

まとめ|本が逆さまの看板は昔からある意味のある表現

本が逆さまの看板は、単なるデザインの失敗ではありません。
古本屋の洒落、裏の意味を伝える工夫、そして人の目を引くための知恵として、昔から使われてきた表現です。

今ではあまり見かけなくなりましたが、もし見つけたときは、その背景にある時代や人の工夫を思い出してみてください。街の見え方が、少しだけ変わるかもしれません。

参考にした情報元(資料)

逆さ看板の広告効果はいかに?消費者50人に聞いてみた

なぜ「本」の字が逆さまに?札幌のビル屋上に存在した意味深な巨大看板が話題