※最新情報が入り次第、記事を更新していきます。
ブックマークに追加をしてお待ちください。

※【最新追記】8月16日13時26分
※最新追記は【追記】と追記日時を表記。「もくじ」よりご確認頂けます。

羅臼岳での熊による襲撃事件【概要】

2025年8月14日、北海道知床半島の斜里町・羅臼岳付近で、20代男性がヒグマに襲われ、行方不明となりました。午前11時10分ごろ、登山者から「友人の男性がクマに襲われ引きずられていった」と通報がありました。

通報者は救助されましたが、友人の20代男性は行方がわからず、警察は地元ハンターとともに15日午前5時半から捜索を再開しています。通報者によると、男性は下山中に200メートルほど前を歩いていた際、クマと格闘しており、近づこうとしたところ熊に引きずられたとのことです。

羅臼岳周辺はヒグマの生息地で、当日は避難した登山者約70人がヘリコプターで救助されました。山頂付近には他の登山者もいた可能性があり、警察は確認を進めています。

直前の遭遇事例

日付 発生状況 対応
8月10日 登山者がヒグマに遭遇、スプレーで退避 無事下山
8月12日 クマが登山者に数分間つきまとう 無事下山
8月14日 20代男性が襲撃され引きずり込まれる 捜索開始

直近数日間で複数の登山者がヒグマと遭遇しており、山域での熊活動が活発だったことがわかります。

現在の捜索状況

警察は事件発生翌日の8月15日朝、地元ハンターとともに捜索を再開しました。

  • 捜索開始:午前5時半
  • 捜索方法:警察とハンターによる地上捜索、ヘリコプターによる空からの確認
  • 避難者情報:14日当日、展望台などに避難していた登山者約70人が救助
  • 課題:山頂付近に他の登山者もいた可能性があり、地形が急峻で視界が悪く、捜索範囲が広い

警察は今後も地元ハンターや救助隊と連携しながら、男性の発見に向けて全力で捜索を続ける方針です。

【追記】8月15日13時10分「男性の財布とスプレーが見つかる」

8月15日(金)午前5時前より警察犬やドローン等も使用して、捜索しています。その後、午前9時30分頃、男性が熊に襲われた場所から数十メートル離れた山中で、男性の名前が入ったカード入りの財布を発見しました。

また、その近くには催涙スプレーや、血がついた紺のシャツ、腕時計、さらにキャップも発見されています。

羅臼岳には、まだ20名程の登山客が残されており、警察は救助方法を検討しているとのことです。

【追記】8月15日15時48分「今回の事件のあった通報場所近くで熊を1頭駆除」

15日午後、通報があった場所の近くでヒグマの親子3頭が見つかり、このうち1頭がハンターに駆除されました。警察は引き続き男性の行方を捜索しています。

※NHKのニュースサイトより

【追記】8月15日16時30分「地面から引きずったような血痕」

襲われた男性の財布が見つかった付近の、樹木や地面から引きずったような血痕が見つかりました。依然男性の安否は不明です。

※STVニュース北海道より

【追記】8月15日16時37分「安否不明となっている20代の男性の遺体を発見」

北海道斜里町の羅臼岳で15日午後、1人の遺体が発見されました。

遺体はクマに襲われて安否不明となっている20代の男性とみられていて、警察が身元の確認を進めています。

※HBC北海道放送より

【追記】8月15日18時40分「救出された登山客の様子」

羅臼岳でのヒグマ襲撃を受け、現場周辺では入山規制が敷かれ、警察や消防のヘリコプターによって残された登山客およそ70人が救助されました。

救助された登山客の一人は、「もし自分が襲われていたらと思うと本当に怖い。ここのクマは大きいが人を襲わないと聞いていたので衝撃だった」と話します。

通報を行った男性を目撃した別の登山客は、「座り込んで茫然自失の様子で、電話しながら声も手も震えていた。どう声をかけたらいいか分からなかった」と振り返りました。

知床財団によれば、羅臼岳では12日にも登山客がクマに付きまとわれる事案があり、7月以降、人を怖がらないヒグマが相次いで目撃されています。北海道は14日から同山周辺にヒグマ注意報を発出し、登山者に強く警戒を呼びかけています。

【追記】8月15日19時30分「駆除された熊が男性を襲った熊であるかは不明」

警察は襲われた男性かどうか確認を進めるとともに、駆除したヒグマが男性を襲った個体かどうか調べることにしています。

【追記】8月16日13時26分熊に襲われた被害者の身元が判明

襲われたのは、東京都墨田区の会社員・曽田圭亮さん(26)と判明しました。

8月15日(金)午後1時ごろ、捜索隊は曽田さんが襲われた現場付近で、親子グマ3頭に遭遇。

ハンターが親グマを駆除し、その30分後には子グマ2頭も駆除されました。

曽田さんは駆除された親グマのすぐそばで、遺体で発見されました。下半身が激しく損傷していたということです。

※HBC北海道放送より

【動画】男性の安否不明のニュース

1日経過時点での生存可能性はあるのか?過去事例から考察

発生から約24時間が経過した状況で、男性の生存の可能性はどれほどあるのでしょうか。過去のヒグマ襲撃事例から考えると、条件次第で生存の可能性は残されています。

過去事例

  • 2016年 北海道知床半島:襲撃から短時間で通報と捜索が行われたケースでは、負傷者が無事に発見された事例があります。体力、怪我の程度、気温、山岳地形が生存に大きく影響します。
  • 2018年 北海道大雪山系:ヒグマに襲われた登山者が森の中で隠れ、24時間以内に発見された例があります。装備や非常食、事前の登山経験が生存確率に寄与しました。

羅臼岳付近は急峻な山岳地帯で環境条件が厳しく、生存の可能性は低下しますが、迅速な通報と警察・地元ハンターの早期捜索により、発見の可能性はわずかでも残されている状況です。

熊に襲われた男性は「両足太ももから大量出血」との情報も

北海道知床半島でヒグマに襲われた20代男性は、報道によれば「両足の太ももから大量出血」していたとされています。成人男性の太ももには大腿動脈が通っており、この部位からの出血は極めて危険です。

大腿動脈が損傷すると、出血量は1分間で約1リットルにも達する場合があり、止血措置がなければ出血性ショックに至り、意識喪失は10分~30分以内に起こる可能性があります。

実際に過去の野外事故や交通事故の事例でも、両太ももから同時に大量出血した成人男性が救急搬送までに数十分以内に危篤状態となるケースが報告されています。したがって、現場で適切な止血処置が行われなければ、命の危険は極めて高く、持続時間は数十分程度と推測されます。救助隊の迅速な捜索と医療介入が極めて重要です。

今回のヒグマ襲撃は“普通の熊とは違う行動”を示す

今回の羅臼岳でのヒグマ襲撃事件では、熊の行動が通常とは異なる点が指摘されています。熊の生態に詳しい専門家によると、一般的なヒグマは人間を避ける習性があり、むやみに攻撃してくることは稀です。

しかし、今回の事件では20代男性が襲われ、両足から大量出血するという深刻な被害が発生しました。さらに、同じ羅臼岳周辺では2~3日前にも登山者がヒグマに数分間付け回される事例が報告されており、熊が人間を避けずに近づく行動が続いています。

このことから、今回のヒグマは通常の個体とは異なり、警戒心が低下しているか、餌を求めて人間の存在を脅威とみなさず行動している可能性が考えられます。専門家は、登山者への注意喚起と迅速な警戒体制の重要性を強調しています。

熊により林へ引きずり込まれる理由と熊の目的

男性が林の中へ引きずり込まれた行動は、ヒグマの捕食・防衛行動や縄張り意識に関係しています。考えられる目的は次の通りです。

熊の目的

  • 捕食目的:ヒグマは大型の個体では人間にも危険を及ぼすことがあります。林の奥に連れ込むことで外部介入を避け、攻撃を継続しやすくなります。
  • 防衛・威嚇目的:母熊や縄張り意識の強い個体は、人間に近づかれると攻撃して追い払う行動を取ります。林に連れ込むことで距離を取り、危険を管理しようとする可能性があります。
  • 好奇心や人慣れによる行動:知床半島では、人間を目撃するヒグマも増えており、好奇心や遊び心から追いかけることがあります。林に引き込むのは探索行動が誤って攻撃に変化した結果かもしれません。

このように、林へ引きずり込まれる行為は捕食だけでなく防衛や遊び行動の複合的結果と考えられます。登山者は距離を保ち、音で存在を知らせることが重要です。

まとめ

  • 8月14日:羅臼岳付近で20代男性がヒグマに襲われ行方不明
  • 過去の遭遇事例:同地域でヒグマ活動が活発だった可能性
  • 生存可能性:発生から1日経過で低下するものの、迅速な捜索により可能性は残る
  • 熊の行動:捕食・防衛・好奇心が絡むため、登山時の注意が不可欠
  • 捜索状況:現在も警察・地元ハンターが捜索を継続中

参考情報元

北海道警察「羅臼岳付近でのヒグマ襲撃事件について」