江口寿史氏のトレパク疑惑とは?その発端と経過

「中央線文化祭2025」ビジュアルから始まった疑惑

江口氏が描いた「中央線文化祭2025」のメインビジュアルが、SNS上で拡散されていた一般の女性の横顔写真(金井球氏)を無断で使用した可能性が指摘されました。

作者による当初の説明と拡散された検証画像

江口氏は当初SNSで「インスタに流れてきた完璧に綺麗な横顔を元に描いた」と認めつつ、後にモデル本人(金井球氏)から承諾を得たことを報告しました。しかし、それ以前にSNS上では、イラストと元画像が酷似していることを示す検証画像が拡散され、無断使用やトレース(トレパク)疑惑が急速に広まりました。

デニーズとの「蜜月」:江口イラストが彩ったブランドイメージ

日本デニーズの歩みと革新性

デニーズは1974年に日本1号店を出店し、日本のファミレス業界にホスピタリティ新しい食文化(ティラミス、ナタ・デ・ココなど)をもたらした革新的な存在です。常に時代をリードするブランドイメージを追求していました。

約30年にわたる長期的なパートナーシップ

デニーズと江口氏の関係は深く、1992年から1997年まで、メニューブックの表紙に江口氏の描く現代的で魅力的な「美少女」イラストが採用され、デニーズの若々しく洗練されたブランドイメージ形成に大きく貢献しました。この時期のデニーズのメニューブックは、ファンにとっても象徴的なアイテムとなっています。

50周年記念企画での再タッグとその渦中

デニーズは創業50周年を機に、2023年9月のグランドメニュー改定で約27年ぶりに江口氏のイラストをメニューの表紙に起用するなど、再コラボレーションを実施しました。特に、2024年7月23日開始予定だった50周年企画ファイナルの「限定コラボグッズキャンペーン」では、Tシャツやタペストリーなどのオリジナルグッズ展開が告知されていましたが、このメインイラストもトレパク疑惑の対象となったことが判明しました。

疑惑に対するデニーズの「決断」と企業対応の重み

疑惑拡大とキャンペーンの直撃

疑惑拡散後、デニーズは公式サイトで「制作過程について確認作業を進めている」と発表。長年のパートナーであり、50周年という重要なタイミング、そして直後に大型キャンペーンが控える中で、企業は迅速かつ慎重な対応を迫られました。特に、豪華グッズが予定されていたファイナルキャンペーンのメインイラストがトレパクと判明したことは、事態の深刻さを一層増すこととなりました。

イラストの使用自粛と長期パートナーシップの終焉

事実確認を経て、デニーズは江口氏のイラストの使用を控える対応を取りました。これは、単なる一時的な契約ではなく、約30年にわたる長期的なブランドパートナーシップに終止符を打つ、重い決断であったと言えます。ブランドの信頼性社会的なコンプライアンスを守る姿勢を明確に示した対応として注目を集めました。結果として、告知されていた50周年ファイナルキャンペーンも、イラストを使用した限定グッズの展開を含め、影響を受けることとなりました。

まとめと今後の展望:クリエイティブと企業倫理

SNS時代のクリエイティブとリスク

江口氏のトレパク疑惑は、SNSの拡散力により瞬時に広がり、クリエイターや企業が直面する著作権・倫理的なリスクを浮き彫りにしました。デジタル時代におけるクリエイティブ制作のあり方について、改めて議論を呼んでいます。

企業イメージへの影響とユーザーの反応

デニーズは迅速な対応を取ったものの、長年の関係性がゆえに、この問題は一定期間、企業イメージに影響を与えました。今後のデニーズのプロモーションや、クリエイティブを起用する際の基準に、今回の経験がどう活かされるかが注視されます。

📚 参照資料(参考文献)