病院の薬剤師の年収、なぜ低い?そして衰えぬ人気の秘密は?

病院での薬剤師の年収は、少ないという話があります。
しかし、なぜ病院薬剤師の年収が少ないか、年収が少ないのになぜ人が集まるのか
あなたは疑問に思ったことはありませんか?

きつくて、正直あまりきれいな仕事じゃないです。
それでも病院が新卒薬剤師の人気就職先です。
その秘密を、ちょっと掘り下げていきましょう。

病院 薬剤師の年収は公務員と民間ではどちらが良いのでしょうか?

病院の薬剤師の年収について、あなたは気になりますか?

病院には2種類あります。
国公立病院と民間の病院です。
この違いは給与にも大きく影響します。

まずは国公立病院です。
国公立病院で働く薬剤師は、公務員に分類されます。
そのため、給料は一律です。

現在の6年制課程経て薬剤師になった新人の初任給は、医療職(二)2級15俸級として、
初任給は200,800円に決定されています。

過去の4年制過程での薬剤師であれば、国家公務員薬剤師になった場合、
初任給が医療職(二)2級1号として、178,200円になります。

これは同じ理系の4年制大学、医学部などの6年制、
及び修士卒の年収の中でも低い部類でしょう。

しかし、公務員である薬剤師の平均収入は、給与規定において医療職俸給表(二)にあてはまり、
平均月収は約36万円、平均年収は約600万円となり、薬剤師の年収は
最初は低くても後から年収が上がることを示しており、その点では
調剤薬局や病院といった薬剤師の代表的就職先の年収と比べて高い部類に入ります。

さらに年収以外にも残業手当がきちんとついたり、
福利厚生が充実している点も利点としてあげられます。

対して民間病院の薬剤師であれば、初任給はだいたい20万円から25万円、
よって最初にもらえる年収は300万円から350万円が相場となっています。

病院薬剤師の平均的な年収は400から650万円とされていて、
薬剤部長などの役職に就かなければ年収は400万円代で頭打ちになってしまう場合もあります。

最初は低くても後から年収の上がる公務員薬剤師、
最初は年収が多少良くても伸びしろがあまりない
民間病院薬剤師、というわけです。

病院の薬剤師の年収の少なさの謎。なぜ上がらないのでしょう?

病院の薬剤師 年収は低いという話になりましたが・・・
そもそも、なぜ病院の薬剤師の給与はここまで低いのでしょうか?

場合によっては当直をしたり、救急の患者を相手にする場合もある病院の薬剤師なのに、
それはあんまりなんじゃ・・・という声が聞こえそうです。

しかし、実はその数字には理由があるのです。
基本的に日本国民は、健康保険証を持っており、
その結果、医療費において自己負担は3割、残り7割は国が負担します。

そのため、国が現在のように医療費に割く財源を減らしている状況下では、
薬剤師を含む医療人への給与を減らさなければいけません。

病院に必須である医師や看護師の給与を守るためには、それ以外、
つまり優先順位の低い薬剤師などの人間の給与が削られるというわけです。

それでもなぜ病院で薬剤師の人材不足に陥らないかといいますと、
それはひとえに病院での勤務を求める薬剤師には、年収以外の目的があるからです。

最先端の治療法であったり、臨床的な研究設備であったり。
患者さんと密に接する環境であったり。

その目的は様々ですが、その目的を果たせる場所として多くの
薬剤師が見ていることで年収が低くても
人員不足とはならないのです。

病院の薬剤師、年収を上げるための方法とは?

病院の薬剤師 年収についてここまで考えると、じゃあ、民間じゃなくて
公務員薬剤師になって病院で働けばいいじゃないか!と思うかもしれません。

しかし、これがなかなか大変なのです。
薬剤師は公務員試験に合格しても、必ず病院に配属されるとは限らないのです。

例えば、各都道府県などの保健所に勤務したり、
厚生労働省などで麻薬を取り締まったりと、その仕事の場は様々です。

また、病院に勤務したいです!といってそれが異動などによって実現することはなかなかありません。
民間でも薬剤部長になれば年収アップ!というわけですが、この道程もなかなか困難です。

なにしろ病院自体の数が少ないのです。
そのため、その少なさに比例して薬剤部長になれる人は減ります。
年収の面からして成功するには難しい職業と言えます。

それでもやはり薬剤師の中での病院人気は衰えません
仕事選びには年収以外にも、働きやすさややりがいが大きく関わります。

すなわち、
年収はもちろん大きなファクターではありますが、年収だけが仕事を選ぶ理由ではありません。
自分にどんな仕事が向いているか、薬剤師転職サイトを活用してみて、転職エージェントから
話を聞くことでわかるものがあるかもしれません。


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薬局薬剤師への転職というのも1つの考え方

ある程度の年齢になると年収の方が仕事選びで重要になってくる方も多いようです。
確かに病院薬剤師はやりがいがあるという人もいるかもしれません。

ですが、せっかく高い学費を払って「薬学部 薬学科」を卒業し薬剤師の資格を取得したのですから、できるだけ高い給料を求めるのは当然の事でしょう。
実際の所「病院薬剤師」と「薬局薬剤師」の給料はどれぐらい違うのでしょうか?
実際に「病院薬剤師」と「薬局薬剤師」の給料の違いを比較したのが下記の表です。

■薬剤師の初任給【職場による比較】

職場 初任給 年収
病院 月給20~25万円 300~350万円
調剤薬局 月給22~30万円 350~400万円
ドラッグストア 月給25~35万円 350~450万円
製薬企業 月給22万円前後 300万円前半

※2006年の薬剤師の給与(厚生労働省)調べ

この表で判断すると「病院薬剤師」より「薬局薬剤師」の方が
年収で50~150万円程高いという事になります。

「病院薬剤師」より「薬局薬剤師」への転職というのも1つの考え方
と言えるかもしれませんね。


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