
はじめに
YouTubeで拡散されている
「アパホテルに中国人が大量キャンセルを突きつけ、社長が強気対応した結果、相手が困り果てる」
という内容の動画を見て、本当に起きた出来事なのか気になった人は多いはずです。
動画のタイトルには【漫画】【アニメ】【2ch】と記載されていますが、
一方で「アパホテル」「中国人」「大量キャンセル」といった実在の要素が含まれているため、
過去の事件と関係があるのではないかと感じる人も少なくありません。
この記事では、
動画の内容を整理したうえで、
この動画の元ネタとされる実在の出来事、
そして現実に起きた事実との違いを分かりやすく解説します。
問題の動画はどのような内容なのか
問題となっている動画は、いわゆる「スカッと系」と呼ばれるジャンルの作品です。
物語では、中国人の団体観光客がホテルに対して強い不満を示し、「予約をすべてキャンセルする」と要求します。
それに対し、ホテル側の社長や秘書が冷静かつ毅然と対応し、
あっさりと「では全キャンセルで」と受け入れた結果、
観光客側が宿泊先を失い、旅行が破綻していくという展開が描かれています。
物語は終始、
・横柄な態度を取る客
・原則を守るホテル側
・最終的に自業自得の結末
という分かりやすい勧善懲悪構造になっており、
視聴者が「スカッとする」ことを目的に作られた内容です。
この動画は実話ではなく創作コンテンツだが元ネタがある
まず前提として、この動画で描かれている出来事は
実際にアパホテルで起きた事実ではありません。
登場人物、会話、細かなトラブルの流れはすべて創作です。
ただし、この動画が完全にゼロから生まれた空想かというと、そうではありません。
物語の題材には、過去に実際に起きたアパホテルの炎上事件が下敷きとして使われています。
動画内で描かれる
中国人観光客の反発
ホテル側との対立
SNSで拡散されるトラブル
といった要素は、
過去の現実の出来事を大きく誇張・再構成したものだと考えられます。
動画の元ネタは過去のアパホテル炎上事件
動画の元ネタとして最も関連が深いのが、2017年に起きたアパホテルの炎上騒動です。
当時、アパホテルの客室内には、同ホテルグループの代表が執筆した書籍が設置されており、その内容が中国のSNS上で問題視されました。
問題となった書籍には、南京事件について「虐殺はなかった、または誇張されている」と受け取られる記述や、
日本の戦争責任を限定的に捉える主張が含まれていました。
これらは、中国で教育や報道を通じて広く共有されている
「日本軍が南京で大規模な虐殺を行った」という歴史認識と正面から食い違う内容であり、
そのため中国側では
「歴史を否定している」
「被害を軽視している」
と強く反発されることになりました。
この件は中国のSNSやメディアを通じて急速に拡散され、
「不快だ」「このホテルは利用すべきではない」
といった声が多数上がりました。
結果として、
「中国人観光客が泊まらなくなるのではないか」
「予約キャンセルが相次ぐのではないか」
といった憶測もネット上で広く語られるようになりました。
動画は、こうした当時の炎上の経緯や日中間の認識の対立を下敷きにしつつ、
実際には起きていない大量キャンセルや対決劇を加え、
視聴者が感情移入しやすい物語として再構成した創作コンテンツだと読み取れます。
元ネタ事件と動画内容の違い
元ネタとなった炎上事件と、動画の内容は大きく異なります。
違いを整理すると次のようになります。
| 項目 | 実際の事件 | 動画の内容 |
|---|---|---|
| 性質 | 実在の炎上騒動 | 創作ストーリー |
| キャンセル | 大量発生は確認されず | 意図的な大量キャンセル |
| 展開 | 抗議と議論が中心 | 勧善懲悪で破滅的結末 |
実際の事件では、
動画のように中国人観光客が一斉にキャンセルし、
ホテル側が困窮したという事実は確認されていません。
実際にアパホテルで中国人の大量キャンセルは起きたのか
結論として、
中国人観光客による大規模な予約キャンセルが発生したという公式情報はありません。
2017年の炎上当時も、報道によると、
アパホテル側は「予約キャンセルが急増した事実はない」と説明しています。
ネット上では深刻な経営影響があったかのように語られましたが、
客観的なデータで裏付けられた情報は見当たりません。
つまり、
動画で描かれているような
「大量キャンセルでホテルが困る」
「社長の一言で形勢逆転」
といった展開は、現実とは一致していません。
スカッと系動画と現実を混同しないためにするべきこと
スカッと系動画は、現実の出来事を下敷きにしながらも、
視聴者が爽快感を得られるよう大きく脚色されています。
見る際には、
・【漫画】【アニメ】【2ch】といった表記があるか
・公式発表や報道が示されているか
・実在の日時やデータが出てくるか
といった点を意識するだけで、
事実と創作を冷静に切り分けることができます。
まとめ:動画は創作、元ネタは実在事件
「アパホテル 中国人 大量キャンセル 動画」は、
実話ではなく創作コンテンツです。
ただし、その背景には、2017年に実際に起きたアパホテルの炎上事件があります。
動画は、当時の対立や不安を誇張し、
分かりやすい勧善懲悪ストーリーとして再構成したものです。
現実に起きた事実と混同せず、
冷静に情報を整理することが大切だと言えるでしょう。
参考にした情報元(資料)
ITmedia NEWS「アパホテル、客室内書籍問題で中国から反発」









